チューナーがメインソースから遠ざかったのは、CDの販売と時を同じくした1980年代初め。取り扱いの簡単なCDに押され使われなくなった。音質的にも「ノイズレス」のCDに太刀打ちできるはずもなく、選曲の自由度から云ってもCDに取って代わられた様に思う。それからは「CDP→プリ→パワーアンプ」のシンプルなシステム構成になって行った。これにアナログプレーヤーが揃っていれば申し分ないシステムに思われる。
何を考えていたのか5年程前にチューナーを購入していた。それも40年前の古いバリコンを使ったチューナー SONY 5000Fを手に入れた。アンテナも当時のループアンテナを探して入手し、室内アンテナとして使っていた。しかし、この段階ではメインソース足り得ない音質だった。オープンデッキを使ったFMエアーチェックをしたいと思いアンテナを立てた処、音質的に非常にアップし、現在ではメインソースとなっている。
沢山の楽曲との出会いが出来る事がチューナーの良い処なのだ。自分の知らない演奏家や古い録音も最良に近い音質で聴く事が出来れば、CDばかりに頼ったオーディオライフが、広い耳を持ったオーディライフに変わって行く。
チューナーも何種類か購入して聴き比べをして来たが、シンセサイザー方式がどうのと云うより「音質的」に十分な作り込みをしていない機器が多い。個人的な感覚では1970年代初め頃の技術者が「より良いモノを・・・」と思って作った機種が良さそうに感じる。そう思ってSONY ST-5150Dもサブシステムで使っている。最近の高級チューナーも予算が折り合えば試して見たい。