昨日、妻の一カ月定期検診で歯科医院に行った時の出来事を想い出した
9時過ぎ、妻は治療室へ入ったので、私は待合室で週刊誌を見ていた
間もなく一見私よりかなり年配の男性が来院して、診察券を受付に出して椅子に座った
すると受付の女性から 「○○さ~ん」 と呼ぶ声がしたが、その呼ばれた人がその男性だった
「○○さん、今日の予約は11時ですよ」 と言った
「えっ、そうでしたか?」 と、男性は怪訝そうな顔をしている
どうも予約時間を間違えて二時間も前に通院してきたようだった
その後、二人の間で穏やかだが変わったやり取りがあったが、それはオフレコにしておこう
やがてその男性は医院を出て行ったが、また11時に通院することを受付の女性に確約していた。そんな光景を見ていると、何か寂しい気持ちになってしまった
もし、その男性に連れ合いが居るとか、家族が居れば二時間も早く通院することもないだろうが、どんな環境の中で生活している人なのだろうかと少し余計な心配をした
単なる間違いは誰でもあるが、今、社会で問題となっているのは 「高齢者の道路逆走」 で事故が発生していることだ
同じ間違いでもこの逆走は、間違いで済まされない大きなリスクを背負っている
だが 「通院時間を二時間間違える」 ことと 「道路を逆走する」 ことで生じる結果は桁違いに差があるが、両方共、本人に取ってはあまり問題意識を持っていないことが共通しているのではなかろうか?
そんな事を考えていたら、9時半過ぎ、医師から呼ばれたので治療室へ
「歯をクリーニングしました。下歯裏側はよく磨かれていました。特に異常はありません」 とのコメントだった
そのような始めての褒め言葉は嬉しかったが、歯は妻にとっては大事な部品、これからも定期検診でこの医院とは付き合いが終わりそうにもない
だが心配なのはあの男性、予約の11時には間違いなく来たのだろうか? |