先日、ラジオで、紙幣を初めて発行したのは中国明の時代というのがありました。
しかし、宋の時代にも紙幣とよべるものがあったようです。
紙幣が出回るまでは、金貨、銀貨、銅貨が交換機能をもっていました。
紙幣がでてくる昔話はありませんから、こうしたことが昔話の成立時期を示しているようです。
若者がでてくると大抵旅するのが通例ですが、主人公はどのようにして食いつないでいたかはふれられていません。
金貨や銀貨をもって長期間旅すると重くなって危険度もたかまりますが、紙幣が流通していたなら持ち運びも便利で、昔話の展開も別のものがありそうです。(紙幣は紙切れですからよほどの大帝国でなければ通用しませんし、為替機能もないので、紙幣はやっぱり無理か?)
また、外国の話では、耳慣れない通貨の呼び方がでてきますが、聞く側にとってはそれほど重要ではなさそうです。
(子どもに語る北欧の昔話/福井信子・湯沢朱美 編訳/こぐま社)
「小さなおいぼれ馬」(デンマーク)にダーラーという単位がでてきます。ここでは馬の値段を表示しています。
「銅のなべ」(デンマーク)でもダーラーがでてきますが、謝金の額。
「正直な若者とねこ」(アイスランド)では、スキリングという単位。小銭のようです。
(ねずの木/そのまわりにもグリムのお話いろいろ1/L・シーガル M・センダック・選 矢川澄子・訳/福音館書店/1986年初版)
「うかれぼうず」クロイツエルというのは銅貨