どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

貧乏になれなかった男

2015年12月03日 | 昔話(日本)

       かたれやまんば第5集/藤田浩子の語りを聞く会/2003年

 こんなのありかなと楽しめます。たしかにばかばかしいのですが・・・。

 たいそうなお大尽。ひとりぐらしで広ーいお屋敷。

 一枚一枚はずしたり、はめたりする雨戸を開け閉めする女ご衆。

 朝から雨戸を開け始め、全部開けるともう夕方。すぐに雨戸を閉めはじめ、閉め終わると今度は朝。
 また雨戸を開け始め・・・。

 料理番の女ご衆、料理をつくって、ながい廊下を運ぶのが一苦労。
 何しろ、冬は、料理を作って運ぶ途中、ガチガチに氷ってしまいます。

 アッツい飯やあっつい味噌汁が食べられないお大尽。なんとか貧乏になりたいと、千両箱を道端に捨てます。
 ところが、道歩いている人は、こんな千両箱をもっているのはお大尽さまだけと、旦那様にもっていきます。

 それじゃ、穴をほって千両箱を埋めてしまえと、百人ばかりの男衆をやとって、穴をほりはじめますが・・・。

 穴から千両箱がぞくぞくでてきて、さらにお大尽になるという、なんとも豪快な話。浮世のうさをわすれられます。