びんぼうこびと/ウクライナ民話/内田莉莎子・再話 太田大八・画/福音館書店/1971年こどものとも発行
日本では、貧乏神ですがウクライナではこびとが同じような役割をしているようです。
七人のこびとに住みつかれて、働いても働いても楽にならないお百姓が、めずらしくおおきなパンとベーコンをもってかえり、うれしくなってバイオリンをひきだすと、音につられてこびとも踊りだします。
百姓は、こびとたちをうまくいいくるめて、袋にいれ、水車小屋のひきうすの下にとじこめてしまいます。
すると、これまでうまくいかなかった、こむぎ、キャベツ、じゃがいももよくできるようになり、あひるも、ぶたも、うしもかえるようになります。
となりのお百姓のくらしがよくなっていくのを、いまいましく思った村一番のお金持ちが、わけを聞いて、もう一度、こびとをお百姓の家にもどそうとしますが、こびとは逆にお金持ちの家にすみついたので、お金持ちが、どんどんびんぼうになり、一文無しになります。
貧乏であっても、音楽も子どももあるお百姓、幸せとは何かもさりげなくえがかれています。昔話にかかせない水車小屋もでてきます。