スーポーおじさんの世界ふしぎ物語3/なだいなだ・訳/筑摩書房/1983年
狩りをしているうちにお伴のものからものから離れてしまった王さまが、湖で心地よい歌を歌っていた少女とあい、結婚しますが、一つ条件がありました。それは「水にふれさせてはいけません」というもの。
王さまは、お妃を、どんな場合でも水にふれさせないこと、ふたりの部屋には水をもってきてはならんと命令をだします。
かわったねがいごとを知った大臣は、水のない庭をつくらせますが、一方では、もう一つ別の水をはった池をつくらせツルや草木で完全に覆います。
ところが、お妃が水のはった池にはいってしまい、姿が消えてしまいます。池の水を全部かい出すと、そこにはカエルが一匹。
お妃が消えたのはカエルのせいと思った王さまは、カエルを殺す命令をだします。
カエルの大虐殺がはじまって、こころを痛めたカエルの王さまが、王さまのところにでかけて、「あなた様の妃は。実は、私の娘で、いたずらごころからしたことです」と白状し、娘を王さまのところにつれてきますのですべては解決です。
カエルが水をきらうのもおかしいのですが、飲んだり、手を洗ったりと欠かせませんから、生活はよっぽど不自由だったのかも。
カエルが出てくる外国の昔話には、グリムの「カエルの王さま」のほか、三人兄弟の末っ子がカエルと結婚し、カエルが王女などに変身する「蛙嫁」(イタリアの昔話/剣持弘子・編訳/三弥井書店/1992年初版)、「蛙の王女」(ロシア ロシアの民話/アファーナーシエフ 金本源之助・訳/群像社2010年初版)「カエル嫁」(世界むかし話 東欧 松岡享子・訳 ほるぷ出版)などがあります。