ほんとのほんとのむかしばなし―中国の寓言集 (6)/ヂョン マー再話 イエ・フエイ・絵 君島久子・訳/ほるぷ出版/1985年
おなじみの故事成語ですが、学校ではいつごろでてくるのでしょう。
歴史それとも国語?
寓言集は全六冊とありました。高校以上にでてくるとすれば、小学校の中学年以上だったらすんなりとはいっていける絵本仕立てです。
色彩があざやかで、背景も絶妙です。物語としても面白く語ってみてもよさそうです。
・漁夫の利
どぶ貝としぎとの争い。しぎが貝の肉をついばむと、貝はふたをとじて応戦。
しぎは、「はなさないと一日、二日したら、ひぼしになってしぬぞ」
どぶ貝も「くちばしがとれなければ、一日、二日で飢え死にさ」
どちらもいいあらそって、ゆずろうとはしなかったが、そこへやってきた漁夫が、しぎと貝の両方を いっしょにつかまえてしまいます。
・トラの威をかりるキツネ
トラがある日、一匹のキツネをつかまえました。食べようとすると、キツネは、「わしは かみさまからつかわされたもの、この森の 大王になるためじゃ。たべたら えらいことになるぞ」といいます。
トラは信じません。
するとキツネは「信じないなら、わしといっしょに くるがよい。わしが 前を歩くから、おまえは うしろからついてこい。けものたちが、わしを こわがるかどうか よくみるんだ」
と言い、トラと歩いていきます。するとウサギ、サル、シカも次々に逃げ去っていきます。しかしトラはそれらが自分を恐れて逃げていくことに気づかず、キツネを恐れて逃げていくのだと思ったのでした。