【島根】痛みやつらさ普段の言葉で 医療現場にもっと方言を
地域 2015年11月24日 (火)配信山陰中央新報
「方言医療」でより良いコミュニケーションを―。医療現場で方言への理解を広める取り組みを、出雲、松江両市の経済関係者でつくる山陰地域創生会議(会長・三吉庸善出雲商工会議所会頭)が始める。高齢の患者にとっては使い慣れた方言が、症状や感情を最も的確に伝えやすい言葉だが、医師や医学生には方言の通じない他地域の出身者も多い。第1弾として、24日に出雲市内で医師や医学生向けの出雲弁セミナーを開く予定で「方言と医療のつながりを深めたい」と意気込む。
島根県外出身の医師や学生が6割を超える島根大学医学部(出雲市塩冶町)。大阪府出身の中尾美香医師(30)=呼吸器・化学療法内科=は「たばこする(休憩する)という方言には一番びっくりした。『せつい』『いたしい』など、同じ意味でも違う表現があり、理解に苦労した」と当初を振り返る。
県東部はもとより、西部からも患者が訪れ、出雲弁や石見弁が飛び出す。県内出身の医師や看護師らに教わり、方言での診察を心掛けている。方言だと、患者との会話がスムーズに進むのを実感し「地域の言葉でのコミュニケーションは親近感が生まれる」と話す。
症状の把握や適切な治療のため、医師と患者の意思疎通は欠かせない。特にお年寄りはなじみ深い方言を話すが、通じなければ、患者が細かい情報を医師に伝えなかったり、互いにストレスに感じたりする。
山陰の特性を活かした地域づくりに取り組む、山陰地域創生会議はこうした実態を知り、医療現場での方言に注目。方言医療という造語を作り、推進する。
24日のセミナーは島根大医学部で開催。出雲弁保存会の藤岡大拙会長(83)を講師に迎える。医学生には地域の魅力を知ってもらい、地元就職につなげたい狙いも込める。
今後は医療現場に限らず、福祉分野にも活動を広げたい考えで、前原和代事務局長(45)は「地域の医療と福祉の発展を後押ししたい」と話した。
地域 2015年11月24日 (火)配信山陰中央新報
「方言医療」でより良いコミュニケーションを―。医療現場で方言への理解を広める取り組みを、出雲、松江両市の経済関係者でつくる山陰地域創生会議(会長・三吉庸善出雲商工会議所会頭)が始める。高齢の患者にとっては使い慣れた方言が、症状や感情を最も的確に伝えやすい言葉だが、医師や医学生には方言の通じない他地域の出身者も多い。第1弾として、24日に出雲市内で医師や医学生向けの出雲弁セミナーを開く予定で「方言と医療のつながりを深めたい」と意気込む。
島根県外出身の医師や学生が6割を超える島根大学医学部(出雲市塩冶町)。大阪府出身の中尾美香医師(30)=呼吸器・化学療法内科=は「たばこする(休憩する)という方言には一番びっくりした。『せつい』『いたしい』など、同じ意味でも違う表現があり、理解に苦労した」と当初を振り返る。
県東部はもとより、西部からも患者が訪れ、出雲弁や石見弁が飛び出す。県内出身の医師や看護師らに教わり、方言での診察を心掛けている。方言だと、患者との会話がスムーズに進むのを実感し「地域の言葉でのコミュニケーションは親近感が生まれる」と話す。
症状の把握や適切な治療のため、医師と患者の意思疎通は欠かせない。特にお年寄りはなじみ深い方言を話すが、通じなければ、患者が細かい情報を医師に伝えなかったり、互いにストレスに感じたりする。
山陰の特性を活かした地域づくりに取り組む、山陰地域創生会議はこうした実態を知り、医療現場での方言に注目。方言医療という造語を作り、推進する。
24日のセミナーは島根大医学部で開催。出雲弁保存会の藤岡大拙会長(83)を講師に迎える。医学生には地域の魅力を知ってもらい、地元就職につなげたい狙いも込める。
今後は医療現場に限らず、福祉分野にも活動を広げたい考えで、前原和代事務局長(45)は「地域の医療と福祉の発展を後押ししたい」と話した。