日々

穏やかな日々を

「すべての抗生物質に耐性をもつ細菌」をうむ遺伝子

2015年12月06日 23時53分56秒 | 医療情報
「すべての抗生物質に耐性をもつ細菌」をうむ遺伝子

ポリミキシン耐性をもたらすプラスミド変異が出現

HealthDay News2015年12月4日 (金)配信 呼吸器疾患感染症投薬に関わる問題

 細菌に、抗生物質の「最後の砦」とされるポリミキシンに対する耐性をもたせる遺伝子が、中国の科学者らにより特定された。この遺伝子はmcr-1と呼ばれ、中国南部のブタおよびヒトが保有する腸内細菌科(Enterobacteriaceae)の菌に見つかったもの。この報告は「The Lancet Infectious Diseases」に11月18日掲載された。

 研究著者である華南農業大学(中国、広州)教授のJian-Hua Liu氏によると、ポリミキシン(コリスチンおよびポリミキシンB)は、その耐性が細菌から細菌へと伝播されない最後の抗生物質クラスだったという。しかし、これまでに見つかっていたコリスチン耐性は染色体変異によるものであったのに対し、新たな遺伝子は、容易にコピーされて細菌間を移行できるプラスミド上に見つかっている。「このことは、異なる種類の細菌に伝播しやすい多剤耐性遺伝子の出現を示すものだ」と、Liu氏は警告する。

 この新たな耐性遺伝子の発生を促した原因は抗生物質の大量使用だと、研究チームは話す。コリスチンは中国で家畜に広く使用されており、この耐性がブタからヒトへ広がったと考えられている。「mcr-1の出現は、最後の抗生物質群が突破される前触れである。現在は中国に留まっているが、やがて世界中に広まる可能性が高い」とLiu 氏らは述べ、家畜へのポリミキシン使用の見直しと、国際的なmcr-1の監視が急がれると指摘している。中国政府は、家畜飼料添加物としてのコリスチン使用のリスク評価に着手している。

 米ウィンスロップ大学病院(ニューヨーク州)のBruce Polsky 氏は、「コリスチンは、他の手段を使い尽くした多剤耐性菌に対する最後の選択肢だ」と述べ、緊急な措置が必要であることに同意している。「コリスチンを温存するには、家畜飼料への抗生物質の使用を厳しく制限し、動物に定着する細菌の耐性獲得を低減する必要がある」と同氏は話す。

 米ノースショア大学病院(マンハセット)のBruce Hirsch氏は、これまで細菌がポリミキシン耐性をもつことはまれであったが、今回の知見は憂慮すべきものだとして、「この新たな耐性遺伝子をもつ細菌が拡大すれば、重篤な感染症患者に対して医師がほとんど何もできなかった時代へ逆戻りする可能性がある」と述べている。専門家らは、不必要な抗生物質の使用を減らす責任は医師や患者にもあると指摘している。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「すべての抗生物質に耐性をもつ細菌」をうむ遺伝子

2015年12月06日 22時58分09秒 | 医療情報
「すべての抗生物質に耐性をもつ細菌」をうむ遺伝子

ポリミキシン耐性をもたらすプラスミド変異が出現

HealthDay News2015年12月4日 (金)配信 呼吸器疾患感染症投薬に関わる問題

 細菌に、抗生物質の「最後の砦」とされるポリミキシンに対する耐性をもたせる遺伝子が、中国の科学者らにより特定された。この遺伝子はmcr-1と呼ばれ、中国南部のブタおよびヒトが保有する腸内細菌科(Enterobacteriaceae)の菌に見つかったもの。この報告は「The Lancet Infectious Diseases」に11月18日掲載された。

 研究著者である華南農業大学(中国、広州)教授のJian-Hua Liu氏によると、ポリミキシン(コリスチンおよびポリミキシンB)は、その耐性が細菌から細菌へと伝播されない最後の抗生物質クラスだったという。しかし、これまでに見つかっていたコリスチン耐性は染色体変異によるものであったのに対し、新たな遺伝子は、容易にコピーされて細菌間を移行できるプラスミド上に見つかっている。「このことは、異なる種類の細菌に伝播しやすい多剤耐性遺伝子の出現を示すものだ」と、Liu氏は警告する。

 この新たな耐性遺伝子の発生を促した原因は抗生物質の大量使用だと、研究チームは話す。コリスチンは中国で家畜に広く使用されており、この耐性がブタからヒトへ広がったと考えられている。「mcr-1の出現は、最後の抗生物質群が突破される前触れである。現在は中国に留まっているが、やがて世界中に広まる可能性が高い」とLiu 氏らは述べ、家畜へのポリミキシン使用の見直しと、国際的なmcr-1の監視が急がれると指摘している。中国政府は、家畜飼料添加物としてのコリスチン使用のリスク評価に着手している。

 米ウィンスロップ大学病院(ニューヨーク州)のBruce Polsky 氏は、「コリスチンは、他の手段を使い尽くした多剤耐性菌に対する最後の選択肢だ」と述べ、緊急な措置が必要であることに同意している。「コリスチンを温存するには、家畜飼料への抗生物質の使用を厳しく制限し、動物に定着する細菌の耐性獲得を低減する必要がある」と同氏は話す。

 米ノースショア大学病院(マンハセット)のBruce Hirsch氏は、これまで細菌がポリミキシン耐性をもつことはまれであったが、今回の知見は憂慮すべきものだとして、「この新たな耐性遺伝子をもつ細菌が拡大すれば、重篤な感染症患者に対して医師がほとんど何もできなかった時代へ逆戻りする可能性がある」と述べている。専門家らは、不必要な抗生物質の使用を減らす責任は医師や患者にもあると指摘している。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ストレスチェック、企業に負担 マイナンバー対応に忙殺/医師確保難しく

2015年12月06日 22時35分43秒 | 行政
ストレスチェック、企業に負担 マイナンバー対応に忙殺/医師確保難しく

地域 2015年12月4日 (金)配信北海道新聞

 労働者の心の健康状態を調べる検査「ストレスチェック」を事業者に義務づける制度が今月始まったが、道内の企業で実施に向けた準備が遅れている。企業の多くは来年1月に始まるマイナンバーへの対応で忙しいのに加え、ストレス状態を判定する専門知識を持った医師の確保が難しいためだ。労働者からは「検査で心の不調が分かれば、職場から排除されるのではないか」と制度の副作用に不安の声が上がっている。

■年50万円の費用

 「今夏以降はマイナンバーの事務作業に追われ、ストレスチェックの準備は手付かずだ」。札幌の建設会社の総務担当者はそう話す。検査は来年4月に行う予定だが、実施方法や社内の役割分担は決まっていない。「事務作業が多い上、医師への報酬など年間50万円の費用がかかり、負担は重い」という。

 制度は、過労やパワハラによる精神障害の労災請求が近年増えたことを受け、昨年改正された労働安全衛生法に盛り込まれた。

 事業者は年1回、検査を行う。労働者は質問票に答え、企業が依頼した医師や保健師がストレスの度合いを判定する。医師の意見を受け、企業は労働者の勤務時間を短縮するなどの対策を取らなければならない。労働環境を改善し、心の不調を未然に防ぐのが狙いだ。

 労働者が50人以上の事業者に義務づけられ、道内は約5千の職場が対象となる。JR北海道やイオン北海道など制度開始前から自主的に行うところもあるが、大半はこれからだ。

■中小準備進まず

 札幌商工会議所が10月に会員企業約200社に行った調査では、制度に関する社内ルールを作成済みの企業は1割だった。同会議所は「中小企業の多くはノウハウがなく、準備が進んでいない」とみる。

 検査にかかわる医師の確保も難しい。北海道労働保健管理協会(札幌)には今秋以降、企業から「検査を頼む医師が見つからない」という相談が相次いでいる。検査は精神科医でなくてもできるが、企業が契約する産業医は内科医が多く、「専門知識がない」との理由で企業の依頼を断るケースが多いという。

■「評価に影響」懸念

 一方、労働者は検査で心の不調が分かれば、人事評価に影響するのではないかと懸念する。検査の結果、ストレス度が高い労働者は医師の面接を受けられ、面接結果が企業に伝えられる。面接結果を理由に解雇や不当な異動を行うことは禁止されているが、札幌の建設コンサルタント会社で働く男性(46)は「会社にメンタルが弱いとみなされ、陰で嫌がらせを受けるかもしれない」と心配する。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「刑事フォイル」を見ながら

2015年12月06日 21時03分46秒 | 
刑事フォイルの始まりの音楽はいい。

でも、戦争中のイギリスのお話。
今夜はロンドンの空襲がでた。
昨日、「カラーで見る太平洋戦争」を見たけれど、
ロンドンも空襲があったとこの映画で知る。。。。

そう、
世界中が戦争だったんだから。。。。。。。。。。。。。。
だから、
世界中が戦争に反対しなければならない。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

(インタビュー)いのちのケア 末期がんの内科医・僧侶、田中雅博さん

2015年12月06日 10時12分02秒 | 
(インタビュー)いのちのケア 末期がんの内科医・僧侶、田中雅博さん

その他 2015年12月4日 (金)配信朝日新聞

 人は病と闘い、生き抜こうとする。それでもいずれは、どうしても死が避けられなくなる。そのとき何を感じるのだろう。希望を見いだすことはできるのか。栃木県益子町の内科医で僧侶でもある田中雅博さんは、がんに侵され、余命わずかの身。自分の死を見据え、日本の医療からこぼれ落ちているものを問いかける。

 《陶器で知られる栃木県益子町。田中さんは、1300年近い歴史のある西明寺(さいみょうじ)の住職だ。昨年10月、極めて深刻な段階の膵臓(すいぞう)がんが見つかった。手術したが、今度は肝臓に転移した。今秋、寺で行われた法要の際、別の僧侶に「どうか長生きしてください」と声をかけられると、素っ気なく「それは無理です」と答えた。》

 ――余命わずかであることを公言されていますね。

 「抗がん剤の副作用がひどくなっています。特に手足のしびれ。茶わんを落としたり、つまずいたりします。もう副作用の限界ですから、抗がん剤は効果を期待できる量が使えずにいます。検査結果やデータから、来年3月の誕生日を迎えられる確率は非常に小さい。もう少しで死ぬという事実を直視しています」

 「つい先日、孫が生まれたんですよ。女の子です。どこまで成長を見ることができるか。あと3カ月くらいかな、あるいはもっと短いかもしれない、と考えてしまいます。複雑な思いですね。人の死は思い通りになりません。私も順番が来たわけです」

 ――僧として、医師として、ずっと「死」の問題を考えてこられました。自身の死は怖くない、とおっしゃるのかと。

  nb bv 。生きていられるのなら、生きていたいと思いますよ。私には、あの世があるかどうかは分かりません。自分のいのちがなくなるというのは……。やはり苦しみを感じますね。いわば『いのちの苦』です。自分というこだわりを捨てる仏教の生き方を理想とし、努力をしてきました。生存への渇望もなくなれば死は怖くないはずです。ただ、こだわらないというのは簡単ではありません」

 「かといって死んでしまいたいとも思わない。生きられるいのちは粗末にしたくありません。一方で、自分のいのちにこだわらないようにする。そのふたつの間で、『いのちの苦』をコントロールしているわけです。死の恐怖や不安と闘うというよりは、仲良くしようとしている感じでしょうか」

 《寺に生まれたが、前住職である父親の勧めで医学の道へ。25歳で東京・築地の国立がんセンター(現・国立がん研究センター)で研修医となった。》

 「最初に受け持った患者さんは若い女性でした。がんが体中に転移し、どんどん悪くなっていく。『私は死ぬんでしょうか』と聞かれました。どう答えますか? 科学ではどうしようもないんです。それ以来、たくさんの患者さんから同じように問われ続けました。でも、何もできなかったんですよね……。そうした苦に応える人が病院にいない、と若いときから感じていました。患者は誰に話していいか分からず、看護師や病室を掃除してくれる人に、不安を打ち明けることがあるんです」

 「私は進行がんが専門で、がんセンターでは内分泌部治療研究室長も務めました。医学はいのちを延ばすことを扱うわけですが、そのいのちをどう生きるかという問題にはまったく役に立たない。体の痛みを止める医師が必要であるのと同じように、『いのちの苦』の専門家が必要です。それがほとんどいないのは日本の医療の欠陥だと思います」

 《田中さんが言う「いのちの苦」は医療分野で「スピリチュアルペイン」(spiritual pain)と呼ばれる。世界保健機関(WHO)でも議論され、生きる意味の喪失や死後への不安などが含まれるとされる。

 キリスト教文化を背景とした欧米の多くの病院には、これに対応する専門職がいる。田中さんは1980年代から、日本でも「スピリチュアルケア」(spiritual care=いのちのケア)が必要だと提言。ローマ法王庁が呼びかけた国際会議にも4度招かれ、海外の実情を学んだ。》

 ――いのちのケアとは?

 「欧米では、病院に配置された聖職者がスピリチュアルケアに携わっていることが多いですね。自分の宗教や考えは押し付けません。患者の話を聞くことに徹し、いのちがなくなる苦しみを分かち合おうと努めます。どんな人生であったとしても肯定し、価値を見いだしてもらえるよう促す。人間の尊厳にかかわる仕事です」

 ――死が迫ると、後悔などの感情も起こりそうです。

 「それらも受け入れ、最後の最後まで人生の『ものがたり』を形づくる手伝いをする人が必要です。それを含めての医療であるべきだと思います。科学では何もできなくなったときこそ、非常に多くのことができるはずです」

 「人というのは、元気なうちは自己の欲望にとらわれたり、怒ったり、他人を差別したりするものです。しかし死が避けられないとなったときは、そうしたことから離れて、自分のいのちを超えた価値を獲得するチャンスでもあります。いのちより大事にしたいもの。それは信仰を持たない人にとっても、自身の『宗教』だと思うんですよ。それに気づくことができれば、その大事なもののために残りの時間を生きることができるのではないでしょうか」

 「欧米でスピリチュアルケアにあたる人は宗教だけでなく、哲学や医療などもしっかり勉強しています。ただ、ある人は『知識があるだけではだめだ』と話していました。むしろ、死にゆく患者さんに大事なことを教えてもらうという態度で臨むのです。非常に高度なことですね。人格的にも優れていなければならないでしょう」

 《国内でも専門家を育てる動きがある。全国青少年教化協議会が資格認定する「臨床仏教師」もその一つ。95人の受講者から絞られていき、今春、6人が初めて認定された。約1年半の養成課程では田中さんが内科を担当する診療所も協力し、実習を受け入れた。しかし、医療現場はまだ本格的な導入には慎重だ。》

 ――医療の現場には宗教に対する違和感もあるようです。スピリチュアルケアをする人は宗教者でなければいけませんか。

 「必ずしも宗教者でなくてもいいと思いますよ。欧州では哲学畑の人もいるそうです。ただ、仏教は私たちの死生観に何らかの影響を与えていますから、日本では少なくとも仏教の知識は欠かせません。もし病院で僧衣に違和感があるなら、制服を作ってもいい。ローマの病院でスピリチュアルケアに携わる人に会ったら、白衣を着ていましたね」

 「臨床仏教師の候補者を実習で受け入れた際、ある患者さんは症状が進んで話ができず、筆談でした。候補者に『あなたの考えは浅い』と厳しいこともお伝えになりました。それでも何時間も筆談して、最後は『また来てください』とお書きになった」

 「WHOは緩和ケアについて身体の痛みだけでなく、心理的な側面と(より根源的な)スピリチュアルな側面を総合的に扱う、としています。イタリアのスピリチュアルケア従事者は、死期が迫ってからではなく入院時にすぐ会いに行くと話していました。病棟責任者らの許可もいらず、自由に病室に出入りできるそうです。そういうシステムはいいですね。患者には面談を受ける権利と断る権利を保証しなければなりません」

 ――それにしても、ご自身は穏やかな表情ですね。

 「ぐったりして休んでいることも多くなっていますが、まだ黄疸(おうだん)は出ていません。黄疸が出ると、頼まれている原稿の執筆や講演は難しいので、できる限りのことをやっておきたいと思っています。いま、何でもないことが非常にありがたい。晴れた日はいいなぁと思うし、雨の降る日もいいなぁと感じます。やはり生きているというのはいいことですね」

    *

 たなかまさひろ 1946年生まれ。東京慈恵会医科大卒。74年国立がんセンターに入り、83年寺を継ぐため退職。90年境内に緩和ケアも行う普門院診療所を建設。

 ■取材を終えて

 死が避けられなくなったとき、家族には心配をかけまいと「死ぬのが怖い」といったことを口にしない人がいるのではないだろうか。家族もまた、あまりに重い問いは受け止めきれないかもしれない。そうした気持ちを丸ごと受け止めてくれる第三者がいたら、患者と家族にとって貴重な選択肢となりそうだ。

 日本でも、一部の緩和ケア病棟などには宗教的な問いにも対応できる専門家がいるが、全体ではまだまだ少ない。病院にとっては実習を受け入れてみるだけでも、「患者の本当の幸せとは」「そもそも医療とは」と立ち止まって考える契機になるに違いない。(聞き手・磯村健太郎)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

投票ボタン

blogram投票ボタン