【富山】患者の訓練時間1・5倍 県リハビリ病院・こども支援センター
2018年7月13日 (金)配信北日本新聞
■早期の在宅復帰課題
旧高志リハビリテーション病院などを再編統合した県リハビリテーション病院・こども支援センター(富山市下飯野)が全面オープンしてから22日で1年を迎える。スタッフを増やし、設備を充実させたことで患者の訓練時間が1・5倍に伸びるなど、リハビリ医療の向上に成果を挙げている。一方で、入院日数の短縮はまだ目標に達しておらず、より早く患者を在宅復帰につなげる体制づくりや、地域との連携強化が課題となっている。
県リハビリテーション病院・こども支援センターは、県が旧高志リハビリテーション病院と高志学園、高志通園センターを再編統合した施設。リハビリ病院部分は新設し、昨年7月に全面オープンした。
再編の主な目的は、リハビリ医療の充実強化だ。高齢者らの長期入院が問題になる中、脳疾患などで手術を受けた患者にリハビリを早期に受けてもらうことで、素早い回復や退院につなげる狙いがある。
新しい病院では、理学療法士らリハビリ担当のスタッフを75人から100人以上に増やし、手狭になっていた訓練スペースは約1・5倍に広げた。365日体制で、ロボットも活用した専門性の高いリハビリ医療を提供している。
その結果、患者1人当たりの1日の訓練時間は、旧病院時代の約90分から16年の実績では136分に増えた。訓練時間の伸びは回復に影響し、平均入院日数は85日から73・5日に短縮された。
ただ、17年の実績では、訓練時間は139分とさらに3分増えたものの、入院日数は75・6日と16年より2・1日延びた。筋萎縮性側索硬化症(ALS)など、比較的長いリハビリが必要な神経難病患者を積極的に受け入れていることが背景にあるという。
病院の管理運営計画では、20年の平均入院日数を70日以内に短縮することを目指している。目標達成のためには、訓練時間をさらに増やすなど、より集中的で効率的なリハビリを提供するだけではなく、リハビリ医療の中核施設として、自宅や施設でのリハビリをサポートする人材育成などを進め、在宅復帰を支援していくことが重要になる。
松本勝司事務局次長は「一日でも早くリハビリを始めることが回復につながる。リハビリを望む人ができるだけ早く入院できる体制を整えていきたい」と話している。
◆県リハビリテーション病院・こども支援センター◆
リハビリの県内中核的病院。県が2011年度から整備を始め、内科やリハビリテーション科などの外来診療科が16年1月に開業。駐車場などの工事を終えた17年7月にグランドオープンした。病床数はリハビリ病院に150床、こども支援センターに52床、今年7月に設けた療養介護棟に30床。ほかに地域リハビリテーション総合支援センター、県障害者相談センターなどを備える。
2018年7月13日 (金)配信北日本新聞
■早期の在宅復帰課題
旧高志リハビリテーション病院などを再編統合した県リハビリテーション病院・こども支援センター(富山市下飯野)が全面オープンしてから22日で1年を迎える。スタッフを増やし、設備を充実させたことで患者の訓練時間が1・5倍に伸びるなど、リハビリ医療の向上に成果を挙げている。一方で、入院日数の短縮はまだ目標に達しておらず、より早く患者を在宅復帰につなげる体制づくりや、地域との連携強化が課題となっている。
県リハビリテーション病院・こども支援センターは、県が旧高志リハビリテーション病院と高志学園、高志通園センターを再編統合した施設。リハビリ病院部分は新設し、昨年7月に全面オープンした。
再編の主な目的は、リハビリ医療の充実強化だ。高齢者らの長期入院が問題になる中、脳疾患などで手術を受けた患者にリハビリを早期に受けてもらうことで、素早い回復や退院につなげる狙いがある。
新しい病院では、理学療法士らリハビリ担当のスタッフを75人から100人以上に増やし、手狭になっていた訓練スペースは約1・5倍に広げた。365日体制で、ロボットも活用した専門性の高いリハビリ医療を提供している。
その結果、患者1人当たりの1日の訓練時間は、旧病院時代の約90分から16年の実績では136分に増えた。訓練時間の伸びは回復に影響し、平均入院日数は85日から73・5日に短縮された。
ただ、17年の実績では、訓練時間は139分とさらに3分増えたものの、入院日数は75・6日と16年より2・1日延びた。筋萎縮性側索硬化症(ALS)など、比較的長いリハビリが必要な神経難病患者を積極的に受け入れていることが背景にあるという。
病院の管理運営計画では、20年の平均入院日数を70日以内に短縮することを目指している。目標達成のためには、訓練時間をさらに増やすなど、より集中的で効率的なリハビリを提供するだけではなく、リハビリ医療の中核施設として、自宅や施設でのリハビリをサポートする人材育成などを進め、在宅復帰を支援していくことが重要になる。
松本勝司事務局次長は「一日でも早くリハビリを始めることが回復につながる。リハビリを望む人ができるだけ早く入院できる体制を整えていきたい」と話している。
◆県リハビリテーション病院・こども支援センター◆
リハビリの県内中核的病院。県が2011年度から整備を始め、内科やリハビリテーション科などの外来診療科が16年1月に開業。駐車場などの工事を終えた17年7月にグランドオープンした。病床数はリハビリ病院に150床、こども支援センターに52床、今年7月に設けた療養介護棟に30床。ほかに地域リハビリテーション総合支援センター、県障害者相談センターなどを備える。