社会保障費70兆円増 2040年度、高齢化で 暮らし大型Q&A「ニュース早分かり」社会保障費将来推計
2018年6月25日 (月)配信共同通信社
政府が2040年度の社会保障給付費の推計を公表しました。
Q 社会保障給付費とは何ですか。
A 医療や介護、年金、子育て施策といった社会保障関係の公的制度に充てる費用です。障害者福祉サービスや生活保護、雇用保険の給付なども含まれます。国民が支払う社会保険料や税金で賄われていて、患者の窓口負担や介護サービスの利用者負担は含まれません。国立社会保障・人口問題研究所の統計によると1980年度は24兆8千億円でしたが、90年度は47兆4千億円、2000年度は78兆4千億円、10年度は105兆4千億円と増え続けています。
Q 40年度の推計は。
A 5月に政府が公表した推計によると、40年度の給付費全体は188兆2千億~190兆円で、18年度の121兆3千億円から70兆円近く増える見通しです。18年度予算の一般会計総額が98兆円弱であることを考えると、規模の大きさが分かります。国内総生産(GDP)比で見ると、18年度から2ポイントほど増えて23・8~24・0%になります。内訳は、年金が73兆2千億円、医療が66兆7千億円か68兆5千億円、介護が25兆8千億円、子ども・子育てが13兆1千億円、生活保護などの「その他」が9兆4千億円でした。医療は前提を変えて2通りの推計を出しています。
Q どの分野が特に増えるのですか。
A 金額はどの分野も増えますが、GDP比で見ると高齢化の進行で医療は1・4~1・7ポイント、介護は1・4ポイント増えます。特に介護は地域のニーズに応じたサービスの充実などで大きく伸び、金額ベースでは2・4倍にもなります。一方、年金は0・8ポイント減ります。会社員や公務員が加入する厚生年金の支給開始年齢が段階的に引き上げられていることや、「マクロ経済スライド」という支給水準を抑える措置が導入されていることが要因です。
Q なぜいま40年度の推計を出したのですか。
A 12年に与野党が合意した「社会保障と税の一体改革」で、社会保障の充実と、財源確保のために消費税率を10%に引き上げることが打ち出されました。政府はこれまで一体改革の路線に沿って、団塊の世代全員が75歳以上になる25年度を意識した政策を進めてきました。一連の改革は19年10月に実施予定の消費税増税で区切りを迎えます。人口構造が激変するなか、政府は今後の社会保障の在り方について新たに議論するための素材として、高齢者数がピークに近づく40年度の推計を出しました。
2018年6月25日 (月)配信共同通信社
政府が2040年度の社会保障給付費の推計を公表しました。
Q 社会保障給付費とは何ですか。
A 医療や介護、年金、子育て施策といった社会保障関係の公的制度に充てる費用です。障害者福祉サービスや生活保護、雇用保険の給付なども含まれます。国民が支払う社会保険料や税金で賄われていて、患者の窓口負担や介護サービスの利用者負担は含まれません。国立社会保障・人口問題研究所の統計によると1980年度は24兆8千億円でしたが、90年度は47兆4千億円、2000年度は78兆4千億円、10年度は105兆4千億円と増え続けています。
Q 40年度の推計は。
A 5月に政府が公表した推計によると、40年度の給付費全体は188兆2千億~190兆円で、18年度の121兆3千億円から70兆円近く増える見通しです。18年度予算の一般会計総額が98兆円弱であることを考えると、規模の大きさが分かります。国内総生産(GDP)比で見ると、18年度から2ポイントほど増えて23・8~24・0%になります。内訳は、年金が73兆2千億円、医療が66兆7千億円か68兆5千億円、介護が25兆8千億円、子ども・子育てが13兆1千億円、生活保護などの「その他」が9兆4千億円でした。医療は前提を変えて2通りの推計を出しています。
Q どの分野が特に増えるのですか。
A 金額はどの分野も増えますが、GDP比で見ると高齢化の進行で医療は1・4~1・7ポイント、介護は1・4ポイント増えます。特に介護は地域のニーズに応じたサービスの充実などで大きく伸び、金額ベースでは2・4倍にもなります。一方、年金は0・8ポイント減ります。会社員や公務員が加入する厚生年金の支給開始年齢が段階的に引き上げられていることや、「マクロ経済スライド」という支給水準を抑える措置が導入されていることが要因です。
Q なぜいま40年度の推計を出したのですか。
A 12年に与野党が合意した「社会保障と税の一体改革」で、社会保障の充実と、財源確保のために消費税率を10%に引き上げることが打ち出されました。政府はこれまで一体改革の路線に沿って、団塊の世代全員が75歳以上になる25年度を意識した政策を進めてきました。一連の改革は19年10月に実施予定の消費税増税で区切りを迎えます。人口構造が激変するなか、政府は今後の社会保障の在り方について新たに議論するための素材として、高齢者数がピークに近づく40年度の推計を出しました。