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広がる「ロボット手術」 保険適用拡大 出血量や医師負担が減 実績や症例数などで見極め

2019年01月22日 18時48分28秒 | 医療情報
広がる「ロボット手術」 保険適用拡大 出血量や医師負担が減 実績や症例数などで見極め
2019年1月6日 (日)配信西日本新聞

 ロボットを使った手術について、公的医療保険の適用対象が胃がんや食道がんなどに拡大されたのを機に、九州でも導入する病院が広がっている。患者の出血量を抑えられ、操作の精度が高く、執刀医の負担は軽いなどのメリットがある。ただ、どんな医師でも安全に使いこなせるわけではなく、患者は見極めが求められそうだ。
 福岡市南区の福岡赤十字病院は4月、米国製手術支援ロボット「ダビンチ」の最新型を導入した。以前から保険が適用されていた前立腺がんと腎臓がんに加え、新たに適用された胃がんと直腸がんの手術を始めた。今月10日現在、胃8例、直腸10例など計36例を実施。年内に肺がんも手掛ける予定だ。
 ダビンチは操作台、カメラ、アームからなる。医師は患者がいる手術台から少し離れた操作台に座り、3D画面をのぞき込みながら、指にはめたリングや足を乗せたペダルでアームを操作。アームに取り付けた鉗子(かんし)などを患者の体内に挿入し、手術する。
 消化器外科専門の永井英司副院長によると、患部の視界が良く、鉗子が360度自由に動き、細かな処置が可能。開腹手術に比べ、アームを差し込む数センチの穴を数カ所開けるだけで済むため、出血量は少なく、合併症のリスクも軽減される。ただ、触感は伝わりにくく、強く動かしすぎると傷つける危険もある。
 福岡赤十字病院では、保険適用となるがんで早期の患者に、開腹、内視鏡、ロボットの三つの手術法を説明。大半がロボットを選ぶという。胃や直腸の場合、患者の痛みなどは内視鏡とそれほど変わらないが、執刀医の負担は大幅に軽くなる。永井副院長は「何時間も立ちっぱなしが通常だったが、座って操作できる。体力も集中力も続く」と、手術の質向上に期待する。
 ロボット支援手術は今春の診療報酬改定で、心臓の弁形成など12の術式や疾患が新たに保険適用となった。患者負担は高額療養費制度の上限額(年齢や所得によって異なる)に収まり、内視鏡手術と変わらない。
 2016年4月にダビンチを購入した原三信病院(福岡市博多区)は、前立腺と腎臓に加え、今春からぼうこうがんの手術にも活用している。泌尿器科の横溝晃主任部長は既に計450例近くを手掛けており「高画質の画面で細かな操作ができ、尿道や尿管をつなぐなど繊細な手術に向く」と、さらに対象疾患が拡大することを期待。「今後はロボット手術が主流になるだろう」と話す。
 日本ロボット外科学会(事務局・東京)によると、全国で300台程度が導入されている。現在は米国製のダビンチのみだが、今後は国産の開発も進む見通し。
 ただ、名古屋大病院で10年、胃がん患者の手術で誤って膵臓(すいぞう)を傷つけ、死亡させる事故が起こるなど、安全が保証されているわけではない。関連学会は、導入に当たり、一定の手術実績がある医師の常勤、定められた期間のトレーニングを受けるといった厳しい条件を課している。
 日本ロボット外科学会理事で、ニューハート・ワタナベ国際病院(東京)の石川紀彦ロボット外科部長は「車の運転と同じように技術の差がある。内視鏡手術などの手術ができてのロボット支援手術。下手な人が急にうまくなるわけではない。各病院が公開している実績、症例数などを参考に見極めてほしい」と話す。その上で「全てで効果的なわけではなく、個々の症状、タイプなどに応じて使えるかどうかが決まる。主治医とよく相談しつつ、セカンドオピニオンなどで選択肢を確認するといい」としている。
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依存症理解へカフェ アルコールや薬物…患者交流の場に 田川市の病院が月1回開設 [福岡県]

2019年01月22日 18時44分37秒 | 地域
依存症理解へカフェ アルコールや薬物…患者交流の場に 田川市の病院が月1回開設 [福岡県]
2019年1月19日 (土)配信西日本新聞

 アルコール依存症などの治療に取り組む田川市夏吉の精神科病院「一本松すずかけ病院」(395床)が、当事者や家族、一般の人たちが気軽に集まって語り合う「依存症カフェ」を月1回のペースで始める。情報交換や相談の場としてだけでなく、依存症全般への理解を深めてもらうのが狙いで、今月19日に1回目を開く。担当者は「精神科病院や依存症は一般になじみが薄く、敬遠されやすい。関心ある人に立ち寄ってほしい」と話している。
 同病院は地域精神医療への貢献を掲げ1956年に設立。アルコール依存症に関しては、相談から外来・入院治療まで行っており、薬物やギャンブル、インターネットによる依存症の外来も始めた。依存症の外来数は2014年度が191人、17年度は253人と増加傾向にある。
 カフェは「依存症の相談は、どこに行けばいいか分からない」という病院利用者の声を聞き、看護スタッフたちが発案。名称は「リフロ」で、Relief from loneliness(孤独からの解放)の頭文字から取った。
 場所は病院の敷地内に構える喫茶店で、看護師やソーシャルワーカーのほか、アルコール依存症家族会のメンバーなども接客や対応にあたる。就労支援を受けて働く依存症治療中のスタッフもおり、社会復帰のモデルケースとして紹介する。来訪者にはコーヒーのほか、パンやお菓子なども無料で提供する。
 筑豊地区にも依存症の当事者や家族らでつくる自助グループはあるが、参加者は固定化されているという。古田和弘看護師長は「カフェは、依存症に悩む人の仲間や居場所づくりが目的。普段、店は地域の人たちに利用していただいており、コーヒーを飲んで一息つく感覚で来てほしい」としている。
 リフロの開催は毎月第4土曜日の午前11時~午後2時。同病院=0947(44)
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介護現場、とり残されるペットたち 「床一面にフン尿」

2019年01月22日 13時05分59秒 | 介護福祉高齢者
介護現場、とり残されるペットたち 「床一面にフン尿」
2019年1月21日 (月)配信朝日新聞

 「認知症でペットの世話ができなくなり、フンや尿で清潔さを保てない」「家族同然のペットがいるからと入院を拒む」――。介護保険のサービス提供で、ペットの扱いにケアマネジャーらが苦慮する事態が広がっている。介護保険サービスでペットの世話をすることは認められていない。だが高齢者と動物の福祉は切り離せなくなっており、愛護団体などと連携する試みも動き出している。

 昨年8月、川崎市。「高齢者とペット」をテーマにした介護関係者の勉強会で、約20人のケアマネジャーやヘルパーが現場の悩みを報告した。
 「身寄りのない高齢者が骨折で入院したが、犬の世話のため、まだ動けないのに無理をして退院した」
 「床一面に猫のフンや尿があり、ヘルパーが全身をノミにさされた」
 呼びかけたのは「かしまだ地域包括支援センター」(同市幸区)の深井純子所長だ。深井さんは昨年、地域のケアマネ120人にアンケートを実施した。介護保険利用者への支援上、ペットのことで困った経験があるかを尋ねたところ、回答のあった59人の7割を超す43人が「ある」と答えた。
 自由記述欄には「訪問時に犬にかみつかれた」「世話ができないからやってくれと頼まれた」「施設入居を勧めたが『猫と離れたくないから嫌だ』と拒否された」「里親を探してほしいと言われた」など、様々な困りごとが記されていた(表参照)。
 全国の犬猫の推計飼育数は合計約1855万匹(2018年、一般社団法人ペットフード協会調べ)で15歳未満の子どもの数(1553万人・18年)を大きく上回る。ひとり暮らしの高齢者は20年には700万人を超すと見込まれている。ペットが心の支えという「独居」や「老老」世帯の高齢者は少なくない。
 課題は、高齢者が要介護になってペットの面倒をみられなくなったときだ。介護保険には料理や掃除などを支援する「生活援助」サービスがあるが、ペットの世話は認められていない。
 ペット同伴可能の老人ホームなどを検討する経済的余裕のない人も多い。深井さんは「『できません』と切り捨てられない現実があり、現場のケアマネが苦慮している」と話す。
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86歳三浦雄一郎さん、アコンカグア登頂断念 下山開始

2019年01月22日 10時57分55秒 | 運動スポーツ
86歳三浦雄一郎さん、アコンカグア登頂断念 下山開始
2019年1月21日 (月)配信朝日新聞

 南米大陸最高峰アコンカグア(標高6961メートル)の登頂とスキー滑降をめざしていたプロスキーヤー三浦雄一郎さん(86)が登頂を断念して下山を始めた。三浦さんの事務所が21日未明、明らかにした。三浦さんの体調から、チームドクターがこれ以上標高の高いところに行くのは難しいと判断したという。
 三浦さんは現地時間の20日、標高約6千メートルのプラサ・コレラに滞在していた。事務所によると、同行していたチームドクターの大城和恵さん(51)が、高所の生活による影響が出ており、この標高での長時間にわたる生活で86歳の三浦さんにとって肉体的、生理的に負担がかかってきていて、これ以上、高い標高での登山活動は心不全をおこす危険があると判断。三浦さんもそれを受け入れたという。ニド・デ・コンドレス(標高5500メートル)まで歩いて下山し、ヘリコプターでふもとに向かう予定。
 三浦さんは今月2日に日本を出国し、3日にアルゼンチン入り。徐々に標高を上げて体を高度に慣らしながら生活し、10日にヘリコプターでベースキャンプ(BC)のプラサ・アルヘンティーナ(標高4200メートル)に入った。
 その後BCに滞在しながら調整。18日にヘリコプターで標高5580メートル地点に降り立ち、先に歩いて登っていたメンバーと合流して、約6時間歩いてプラサ・コレラに着いていた。19日は翌20日の強風が予想されたため、プラサ・コレラに滞在。登頂とスキー滑降を目標としていた。
 副隊長で次男の豪太さん(49)は「6千メートルの標高で、肉体的、精神的にも厳しいとみた」、大城さんは「この標高は生物学的に86歳の限界。生きて還(かえ)るために、きょう下りるという判断をしました。よくここまで、この肉体と年齢でがんばったと思います」と話しているという。
 三浦さんは「僕自身、頂上まで行ける、という自信はありましたけど、やはり周りで見ての状況、特に大城医師の判断ということで従うことにいたしました」と事務所に伝えた。
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カレーのスパイスに胃がん抑制効果 秋田大などのチーム解明

2019年01月22日 10時53分08秒 | 大学
カレーのスパイスに胃がん抑制効果 秋田大などのチーム解明
2019年1月21日 (月)配信秋田魁新報

 カレーのスパイスに含まれるクルクミンに熱を加えてできる化合物に、胃がんの進行を抑える働きがあることが、秋田大や東北大(仙台市)などの研究チームによって解明された。化合物はカレーの調理過程でも生成されるため、研究チームは胃がん予防のレシピ開発などを目指す。
 研究チームの中心メンバーである秋田大大学院医学系研究科の柴田浩行教授(臨床腫瘍学)によると、クルクミンはウコンなどのスパイスに含まれる化合物。がん細胞の増殖を抑えたり細胞死を誘発したりする働きのほか、記憶力を活性化させる働きがあることが報告されていた。
 研究チームは、クルクミンを改良し、がん細胞の増殖をより抑える化合物の研究に取り組んだ。改良した化合物の一つ「GO―Y022」を調べると、クルクミンに比べてがん細胞の増殖を抑える働きが5倍強く、細胞死をより誘発しやすいことが分かった。GO―Y022はクルクミンを250度で20分以上加熱するとできるため、調理の過程でも生まれる。チームが調査した市販のレトルトカレーにも含まれていた。
 GO―Y022を含んだ餌を胃がんのマウスに食べさせると、普通の餌を与えたマウスに比べ、胃にできた腫瘍の大きさが3分の1に縮小し、摂取による体調不良もなかった。培養したヒトの胃がん細胞にGO―Y022を投与すると、細胞増殖の抑制と細胞死の誘発を確認できた。
 柴田教授は「カレーに含まれているということは日常の食生活を通じて摂取できる。今後、県総合食品研究センターなどと連携し、GO―Y022をより多く摂取できるカレーのレシピ開発に取り組みたい」と話している。
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