体内のウイルス減らす効果 塩野義、コロナ薬で確認
塩野義製薬は31日、開発中の新型コロナウイルスの飲み薬に関し、体内のウイルス量を減少させる効果を示す臨床試験(治験)データを国の審査機関「医薬品医療機器総合機構(PMDA)」に提出したと発表した。飲み薬を投与された患者が感染力のあるウイルスを持つ割合は、服用3日目の段階で、プラセボ(偽薬)を飲んだ人と比べて6~8割減った。
飲み薬は軽症者向けでウイルスの増殖を抑えて重症化を防ぐ仕組みで、昨年9月から最終段階の治験を実施している。国内の成人69人を対象にプラセボと比較した治験では1日1回投与したところ、3回投与後に偽薬と比べて感染力のあるウイルスを持つ患者の割合が63~80%減少した。
同日発表の2021年4~12月期連結決算は売上高が前年同期比2・1%減の2196億円、純利益は20・3%減の710億円だった。国内で医薬品の販売が減り、新型コロナ関連の研究開発費がかさんだため減収減益となった。