毎年接種で新型コロナ共存 モデルナ幹部が見通し表明
【ワシントン共同】新型コロナウイルスワクチンを手掛ける米モデルナのポール・バートン最高医療責任者(CMO)は31日までに共同通信のインタビューで「オミクロン株の波は夏にかけて収束するだろうが、ウイルスは消えない。毎年秋に追加接種を受けて防御を高めながら共存していくことになる」との見通しを示した。
バートン氏はモデルナ社の医学専門業務を統括。現在各国で進む追加接種では終わらず、長期にわたって定期的な接種が必要になる可能性に言及した。
モデルナはオミクロン株に特化したワクチンの臨床試験を開始。バートン氏は、有望な結果が出れば「5月ごろに日本や欧米でデータを提出し、夏に生産を始め、秋には追加接種に使えるようになる」とした。デルタ株とオミクロン株の両方に対応する製品となる構想もあるという。
流行は夏に収まっても「(秋以降)リバウンドする恐れもある」と指摘。世界的大流行は今年以降、終息に向かうと見るが「ウイルスとの共存には、できるだけ多くの人をワクチンで守ることが必要だ」と強調し、その時々に主流になっている変異株に対応した追加接種をしていく戦略が必要だとした。
毎年秋から流行するインフルエンザなどの呼吸器病と新型コロナ対応を組み合わせたワクチンを来年には実用化させたいと表明。「注射が1度で済み、多くの人が受けようとするのではないか」と期待感を示した。
同社はカナダやオーストラリア、アフリカに製造施設を造る計画。バートン氏は地域の流行状況に応じた生産を可能にし、現地の科学者との共同研究拠点にもなるとした上で「世界レベルの研究と臨床医学を持つ日本とも関係を深めたい」と意欲を示した。