性別変更を侮辱、和解成立 勤務先が謝罪、大阪地裁
性同一性障害で性別を変えたことを職場の病院で侮辱され精神的苦痛を受けたとして、大阪市の元看護助手(51)が、病院を運営する医療法人(大阪府吹田市)に約1200万円の損害賠償を求めた訴訟は、24日までに大阪地裁で和解した。原告側の代理人によると、病院側が謝罪して解決金を支払う。金額などは「口外禁止」の条項が盛り込まれたため非公表。和解は17日付。
被告側の代理人は取材に「口外禁止の条項が付いており、コメントは差し控える」としている。
原告側や訴状によると、原告は幼いころから女性としてのアイデンティティーを持ち、20代で性別適合手術を受け2004年に戸籍上の性別も女性に変更。13年に大阪府内の病院で看護助手として働き始め、ほどなく同僚の前で同意なく公表され、その後、同僚らから「元男と着替えるのは気持ち悪い」と中傷されたと主張していた。
関係者によると、和解内容には性別変更の公表に同意があったかどうかは盛り込まれなかったという。
19年8月に提訴。茨木労働基準監督署(大阪府茨木市)が昨年2月、職場で侮辱され精神障害を発症したとして労災と認定した。