電線の街、松江市
コンビニから灰皿・喫煙所の撤去を 広島県医師会が各社に要望書
広島県医師会(広島市東区)は、コンビニ大手3社に対し、受動喫煙の対策として店舗から喫煙所や灰皿を撤去するよう求める要望書を提出した。コンビニ側は中国新聞の取材に対し、加盟店と協力する姿勢やより良い環境づくりを進める考えを示した。
松江市が宿泊型産後ケア 2施設、母親の負担軽減
産後間もない母親の夜間の負担軽減と育児不安の解消を狙い、松江市が宿泊型の産後ケア事業を始めた。市内の2施設で乳児と共に受け入れ、体調管理や育児相談などに対応する。
産後ケアは2019年に日帰りの通所型を始め、21年には訪問型にも対応するよう拡充。利用者から授乳で寝る時間がないなど夜間の疲労感を訴える声が多く、宿泊型も考えた。
対象は市在住の生後4カ月未満の乳児と母親で、体調や育児に不安があったり、家族の支援が受けられなかったりする場合。医療行為が必要な場合は利用できない。
マザリー産科婦人科医院(西津田2丁目)とAya母乳育児相談室(乃木福富町)で受け入れ、助産師が授乳や沐浴(もくよく)といった母親の育児の悩みや心身ケア、乳児の体調管理に対応。同医院は当面、対象を生後1カ月までとし、将来的に生後4カ月未満にする。
利用日数は通算7日以内で、料金は1泊2日で5千円(市民税非課税世帯は2500円)、2泊3日で7500円(同3750円)。食事代はマザリー産科婦人科医院は利用料に含まれ、Aya母乳育児相談室は1食600円が必要となる。
所定の申請書を市ホームページからダウンロードし、利用希望日の3日前までに市子育て支援センター(乃白町)に持参、郵送、メール、ファクスのいずれかで申し込む。問い合わせは同センター、電話0852(60)8155。
【香川】希少糖 医薬利用へ連携
世界の希少糖研究をリードする香川大学と、県内3拠点に工場を持つ医薬品メーカーの協和化学工業(高松市、木下幸治社長)は、希少糖の医薬品への利用などを目指し、高松市の同大学本部で包括連携協定を結んだ。同大学が希少糖について医療・健康に目的を特定した協定を結ぶのは初めて。(加藤浩)
新規事業創出や人材交流
希少糖はブドウ糖や果糖など自然界にある糖のひとつ。約50種類あるが、すべて合わせても糖全体の1%に満たないため、希少糖という。香川大農学部の何森健教授(当時、現名誉教授)が1991年、土壌から果糖を希少糖に変換させる酵素を持つ微生物を発見したことが、同大学での希少糖研究の始まりという。
以来、産学官連携での研究や香川大学内への研究センター設置、国際学会の設立など、研究の基盤づくりが進められてきた。
砂糖よりも摂取後の血糖上昇が緩やかであることを強調した機能性表示食品のシロップや、すっきりした甘味の菓子などが商品化されるなど、利用は広がりを見せている。
協定は、「希少糖を用いた新規研究開発」を中心に持続的・発展的に研究開発、新規事業の創出、人材交流で協力するという内容。項目は▽研究テーマの選定と推進▽共同研究に参画する研究者の交流▽研究活動の活性化と人材育成――などとしている。
先月18日に開かれた締結式には、大学側から筧善行学長(68)や秋光和也・国際希少糖研究教育機構副機構長ら、協和化学工業からは木下幸治社長(61)らが出席した。
筧学長は「希少糖研究の知の拠点を目指す香川大と、医療用医薬品の製造販売で国内外で活躍する協和化学工業が希少糖の医薬利用に向けた研究開発のためのパートナーとして連携する。グローバルな希少糖事業の発展に貢献するとともに学術の発展に寄与するものだ」と意義を説明した。
木下社長も「香川大の研究成果と弊社の医薬品に関する経験・技術を合わせることで、希少糖の新たな展開が期待できる。大学の医学部、農学部と弊社の医薬品製造拠点工場は同じ三木町内にあり、絶好のロケーションにある。交流を深め緊密な連携をすすめたい」と応じた。
協定締結のあと、筧学長は「希少糖は医薬の基礎研究でも良いデータが出ている。動物実験のステップに来ているが、臨床試験を組んでいくうえで大きな協定になる。県が豊かになり、世界中の人々が使える製品づくりをともに目指す」と意欲を見せた。
協和化学工業は1952年設立。医療用医薬品や工業用薬品の製造・販売などを行っている。