県立保健大、大学院に「公衆衛生課程」を新設
県立保健大学(青森市)は26日、同大学大学院に2023年度から「公衆衛生学修士(MPH)コース」を開設すると発表した。国際的に必修とされている分野のカリキュラムを提供し、地域の健康増進など公衆衛生に携わる人材の育成や、健康に関わる課題の解決につながる研究を進める。保健・医療・福祉関係業務の従事者のほか、一般社会人や大学新卒者も含め、入学者を募集する。
公衆衛生学は、人々の集団の健康を考える学問。MPHプログラムの開設は、東北地方では東北大学に次いで2例目となる。
国際的な共通分野として(1)疫学(2)生物統計学(3)保健政策・医療管理学(4)環境産業保健学(5)社会行動科学-の5分野を必修とし、そのほかに青森県の地域医療、デジタル技術を活用した医学・医療関連分野の科目などを設ける予定。修了すると、修士(公衆衛生学)の学位を取得できる。
MPHコースの履修年限は2年間だが、3年間の長期履修制度もある。働きながら履修する人向けに、土日や夜間に授業を集中して開講するほか、オンラインによる遠隔授業を併用する。
26日、県庁で会見した保健大の吉池信男理事長は「新型コロナウイルス感染症の流行前から、コース新設の構想を進めていた。コロナ禍の中で、公衆衛生の体制や人材が十分ではないという課題が浮かび上がった。感染症だけでなく、地域の健康増進に貢献できる人材を育成していきたい」と話した。