中国、一転「弱毒」と宣伝 コロナ対策の緩和続く
2022年12月7日 (水)配信共同通信社
【北京共同】中国共産党・政府系メディアは6日、中国で流行中の新型コロナウイルスのオミクロン株は「毒性が明らかに弱い」と一斉に報じた。以前は感染力の強さに警戒を呼びかけたが、怖がる必要はないとの宣伝に転じた。北京ではスーパーなどの客に陰性証明を求めなくてもよいとする緩和措置が始まった。
中国は11月下旬に感染者数が連日で過去最多を記録するなど流行が広がった。ただ6日の党機関紙、人民日報は「感染しても無症状や軽症が90%以上だ」とする専門家の見方を紹介。国営テレビも同様の見方を報じた。
国営通信の新華社も5日夜「最も困難な時期は過ぎた。オミクロン株の毒性は弱い上、私たちの対応能力は強まっている」との評論を配信した。
国民は対策緩和を切望しているが、感染への不安感も持っている。新華社は「心配しすぎる必要はない」との専門家の声を紹介した。
北京市では6日、スーパーやオフィスビルは来客にPCR検査の陰性証明を求めなくてもよいとする措置を開始した。さっそく取りやめた商業施設もあった。飲食店も48時間以内の陰性証明があれば店内飲食できる。いずれも、政府のスマートフォンアプリを使って行動履歴を記録する手続きはこれまで通り必要だ。
習近平(しゅう・きんぺい)指導部は「ゼロコロナ」政策を放棄していないが「適正化を続ける」との表現で緩和を進める構え。北京以外でも商業施設や公共交通の利用条件を緩和する動きが相次いでいる。ロックダウン(封鎖)の対象範囲を狭める取り組みも模索が続いている。