不屈の魂で「びっくり」V 難病、落選乗り越えた三原
2022年12月12日 (月)配信共同通信社
全身の関節が痛む難病や3季前に全休を迫られた体調不良、2度の冬季五輪代表落選。幾多の困難から「まだまだやらなあかん」とはい上がった23歳の三原が、不屈の魂を銀盤で体現した。シニア7季目での初出場制覇に「びっくりしている。金メダルが首にかかっているのが信じられない」。目を丸くして語る言葉に喜びがにじんだ。
初優勝したGPシリーズを含めて、この1カ月で欧州では3大会目。中野コーチが「体の調子が悪かった」と明かすように疲労は色濃く、アレルギー症状も出た。本人も「いつ倒れてもおかしくない。立っているのがやっと」と振り返った4分間のフリーで、2回転になった最後のループ以外は踏ん張った。同門でSP1位の坂本らが低調だった一戦で、2位レビト(米国)に約11点差と安定感が際立った。
昨季は全日本選手権4位で北京五輪代表を逃し、どん底を経験した。「本当に悔しかったので、その気持ちは一生忘れてはいけない」と心に刻み、強豪ロシア勢不在の好機でつかんだ栄冠。「もっと完璧にしたかった」と妥協なき姿勢が、情感あふれる滑りを磨いていく。(共同=吉田学史)