温泉クンの旅日記

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続・玉子湯 福島・福島市

2012-08-19 | 温泉エッセイ
  <続・玉子湯>

 ああ、また来てしまった・・・。

 たぶん草津温泉と同じくらいの回数、ここには来ている。今日は山形に向かう途中での日帰り入浴である。
 料金を払うと、エレベーターで一階へ降りる。
 外にある鄙びた茅葺の湯小屋にまずは向かうのだ。



(誰もいない。ラッキー!)
 この玉子湯ではここが一番気に入っている。
 源泉が沸くところに近いので、活き活きとした湯を味わうことができる。
 脱衣所はなく、脱いだ衣類は壁際にある剥き出しの脱衣棚に入れる。
 たっぷりの掛け湯をすると、身体が弾く温泉のその香りが立ち昇り、この時点でどうしようもなく顔がほころびだすのがわかる。



「う、うぅ・・・」
 隣の女湯に気を使い小さめな声をあげながら身体を沈めていく。たしかに熱いが、すぐにその熱さが温泉慣れした肌になじんでいく。
 浴槽のなかを、ものすごい湯の花が舞っている。
 湯からあがったとたんに、頭のなかと顔から汗が玉のように吹き出てくる。

 すこし一服してから、広い露天風呂にはいる。天翔の湯と天渓の湯があり、今の時間は天渓の湯が男湯だ。



 こちらもバッチリ独り占めだ。



(部屋があいていたら、泊まってしまおうか・・・)
 このいい湯を、ゆっくり堪能したくなってきた。

 山形にはいって、赤湯か上山か天童あたりで泊まろうと考えていたが、宿泊料金が折り合えばここに泊まって早めに出発するのも悪くない。
 それに今日は平日で、なんとなく宿泊客が少なそうである。原発事故で落ち込んだ福島の観光客が、会津の東山温泉などはかなり震災前の元の状況に戻り始めたというが、中通の温泉地ではまだ回復半ばであろう。



(とにかく、フロントで訊いてみるとしよう)
 なんなら、いつかみたいに添乗員用の部屋でもいいと言ってしまってもいい。露天風呂のすぐそばにある、足湯も誰もいないので試してみながら心が決まる。

 フロントで交渉、すんなり話がまとまった。
 車から荷物を持ってくると、さっそく部屋に案内してもらう。部屋は広かったのだが冷房が故障しているという。
 高所にあるので、窓を開け放すと爽やかな風がはいってきた。

 珍しく冷蔵庫からビールを取り出してしまう。汗はだいぶ引いたのだが、喉が猛烈に渇いている。



 ビールを呑んでいると、すぐ外に声が聞こえて吃驚する。二階の部屋なのだが、外の路が登り傾斜しているので、散歩しているカップルがその気になれば覗きこめる按配になってしまう。まあ、別に気にしなければいいことだ。

 すこし身体が落ち着いたところで、こんどは内風呂に行ってみることにした。
 まずは一階にある小さめな仙気の湯。



 次に、フロントのある階にある大浴場。



 全部はいって、やはり、わたしはあの茅葺の湯小屋が一番だと思う。二番が露天風呂だ。

 翌朝の湯小屋は幽玄を思わせるような靄に包まれていた。




   →「玉子湯」の記事はこちら
   →「当日予約」の記事はこちら

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