温泉クンの旅日記

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百目鬼温泉 山形・山形市

2015-07-29 | 温泉エッセイ
  <百目鬼温泉>

 百目鬼温泉である。



 山形駅から車で十五分、六キロほど離れた田圃のなかにある日帰り温泉施設だ。温泉地の名前には難読なものが全国にけっこうあるがここもそうで、「どめきおんせん」と読む。温泉通なら一度は入ってみたい温泉だ。
 前回に来たときには駐車場が満杯で残念ながらあきらめてしまったが、今回はさすがに平日なので駐車場の車も十台にも満たない。

(よし、今度こそようやく入浴できるぞ・・・)
 入り口横の貼り紙によると、入浴と蕎麦がセットになっている料金がかなりお得そうである。通常、入浴料三百五十円と蕎麦六百円で九百五十円が、割引で八百円也だ。



 どうせ昼はどこかで食べなければいけないので、そのセットを買い求めることにした。

 蕎麦は後にして、まずは入浴だ。ついでに不精ひげも剃ることにしてカミソリも購入した。
 脱衣所の壁の掲示に「一回の入浴時間は三分を超えないように」とあり、これは相当に効き目のある温泉らしい。脱衣は棚だけでロッカーはない。貴重品は預けておくほうがよさそうだ。



 内湯から入ってみる。泉質ではありふれた「ナトリウム塩化物泉」だが、かなりな濁り湯である。なるほど。完全掛け流しの、たしかに成分の濃い温泉だ。いつも並クラスの温泉しか入っていない客が長湯すると湯当りは必定かもしれない。



 時計をみておよそ三分経ったので、内湯を切りあげ外に出た。
 露天風呂は屋根がないので、広々してとにかく開放的だ。



 約三十坪あるという浴槽の淵から、貴重な源泉が惜しげもなく溢れていて、なんとももったいないというか贅沢である。
 露天を囲む塀の向こうには田圃が広がっていた。



 ここでも入浴は律儀に三分で切りあげて、洗い場の備え付けのボディソープを使って髭を剃ることにする。
 ゆっくり髭を剃ると、再度、百目鬼の締めとして内湯と露天をきっちり三分ずつ入った。

 着替えると、汗を拭きながら蕎麦屋に向かう。
 小皿が運ばれてきたので、数種類用意されている漬物を勝手に好きなだけとってお茶請けに食べながら蕎麦を待つ。

 山形の蕎麦粉「でわかおり」を使って打った蕎麦だ。



 もちろん山形だから啜りこむ系でない、腰の強い太めで、いわゆるモグモグ系の蕎麦である。



 テーブルの上には普通の七味以外にいろいろな瓶が並んでいた。
 百目鬼温泉を煮詰めて作られた塩「百目鬼温泉塩」の瓶があったので、ひと口分に振りかけて食べたらなかなか旨い。血圧が正常な人なら塩で食べるのもいいかもしれない。



 ついでに「特製鬼唐辛子」も試してみたら、こちらはアラビアータ風の蕎麦になって面白い。しかし、相当辛いので要注意だ。もうひとつの「すりごま」は温かい蕎麦にかけるといいらしい。



 蕎麦屋の奥に、農産物の直売所が併設されていたので、もしかしたらさくらんぼがあるかもしれないと見て回ったがどうやら一カ月遅かったようだ。まだ身体に温泉熱が残っているのでレモンの輪切りが入った氷のカップを買った。

 この百目鬼温泉、ぜひとも簡易な宿泊で構わないからできるように増改築してほしいものだ。そうすれば旅人のわたしも、満天の星空を露天風呂から仰ぎみることができるのに・・・。ま、「三分ルール」の厳守はビミョーだが。


  →「あらきの蕎麦」の記事はこちら
  →「さくらんぼ狩」の記事はこちら



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