温泉クンの旅日記

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咲花温泉(2) 新潟・五泉

2011-04-10 | 温泉エッセイ
  <咲花温泉(2)>

 北海道の中央に位置する旭川から、北の果て稚内までは約250キロある。

 キロ数ではわかりにくいが、東京から浜松までくらいの距離だから、なんとも北海道は広大だ。
 とにかくいやになるほどの真っすぐな道がこれでもかと続く。しかも両側には店もなんにもないところが殆どで、飲食店をみたら食べたくなくても食事を、スタンドをみたら必ず給油をしておかないとヤバいのである。
 放浪の俳人山頭火の句に“まっすぐな道でさみしい”とあるが、まさにその通りだ。

 その道をちょうど半分行ったところに天塩川温泉(もちろん日帰りで入浴した)が、200キロ行ったところに豊富温泉がある。

 豊富温泉が一風変わっていて、温泉が石油とブレンドしたものが湧くのである。温泉の表面にはあちこちに油膜が浮いている。
 わたしみたいな温泉狂は一泊するとなんどもなんども入るものだから、その油臭でついには油酔いしてしまったほどの手ごわい温泉なのだ。

 新潟の月岡温泉は硫黄泉だが、硫黄の匂いのなかに豊富温泉に似た石油臭が少なからずある。
 ここ、咲花温泉も月岡温泉と同じくエメラルドグリーンの硫黄泉だが、石油臭はまったくないので誰でも安心してはいれる。ただし時計や貴金属類は腐食するので、部屋に残して浴場に向かったほうがいい。源泉温度は五十四度とまずまずで、毎分二千リットルの湧出量がある。



 最上階の大浴場へいき、掛け湯をたっぷりして、内風呂でまずは身体を温める





 絞ったタオルで一度水分を軽くとり、更衣室を抜けて、反対側にある源泉露天風呂に向かう。



 源泉だけあって、硫黄の香りが濃い。掬って思う存分に鼻で味わう。温泉好きにはこれはたまらないものだ。
 泉質の話で咲花温泉に辿り着くまでどえらく長くなったが、これは露天風呂に浸かりながら実際に思いめぐらしたことなのである。

 夕食は部屋食で、どこでも出るような料理が並んだのだが、締めに出た「鮭のわっぱ飯」と「小うどん」が酒呑みには嬉しく、たまらなく旨かった。



 締めのあとに刺身が運ばれてきたのにはなんとも驚いた。たしかに食事が始まってからずっと変だなと思っていたが、手違いがあったようだ。働き始めたばかりの若い仲居さんが恐縮して謝るが、食事より温泉のわたしだから別に怒るほどのことではない。

 朝は、女性風呂と男性風呂が入れ替わった。





 男性用と同じようにこちらにも同じくらいの源泉露天風呂がある。





 咲花温泉の源泉露天風呂だが、宿を出発するまでに何度はいったかよく覚えていない。それほど気に入ってしまったのだった。


 →「咲花温泉(1)」の記事はこちら
 →「豊富温泉」の記事はこちら
 →「指輪」の記事はこちら
 →「月岡温泉の朝」の記事はこちら

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