< 湯免まで >
九州から本州に戻って、一路山陰は山口に向かうことにした。
高速をおりるまえに王司サービスエリアで給油する。町のガソリンスタンドで
給油をしたらリッターあたり5円はたぶん高いはずなので、ここで車にも腹いっぱ
いにしておくのだ。
小月インターで高速をおり、国道を走る。途中にある温泉を片っ端からはいる心づ
もりである。
午後一時、川棚温泉「川棚グランドホテル」に到着。外観の立派なホテルであ
る。フロントに、立ち寄り湯を訊いたら六百円でやっていた。
風情のまったくない浴室で、早々にひきあげてしまう。浴槽がいくつもあるが、
すべてジャグジーであった。温泉もことのほか薄っぺらであった。半額の三百円ぐ
らいでいいのではと思う。
国道とは名ばかりの細い山道を、地元の車に後ろから煽られながらひた走る。
途中、道に笹が飛び出していて停めて折りたかったが、後続の車がいるのでやむを
得ず、一気にこするようにして通った。
午後二時、一ノ俣温泉「一ノ俣温泉グランドホテル」を道沿いの看板で見つけ
て、すぐさま立ち寄り湯をすることに。料金が千円とはえらく馬鹿高い。あとで
わかったが、日帰り客を大事にしているからだった。立派な休憩室がととのって
おり、半日とか一日ゆっくりできる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/6f/dfa5b9db015a17f647be63f492c82b82.jpg)
浴室は真新しくきれいであった。温泉もアルカリ硫黄泉だから、匂い、肌触りに
もまず満足できた。「西日本一の泉質」と豪語するだけはあるが、どちらかといえ
ば西日本ではなく山口県ぐらいというところだろう。
はたと気がつけば昼を食べていない。腹がぺこぺこである。
国道に戻ってもすぐ店がみつかるかどうか疑問である。このホテルでなにか食べ
られるか訊ねると、カレーぐらいならできますということで、限られたただひとつ
の選択肢のカツカレーで昼食とした。
午後三時、滝部温泉で立ち寄り湯。料金は八百円と、ここもすこし高めである。
素朴な浴室で露天もあり、泉質も悪くない。気に入った。
ここに泊まってもいいかもしれない。
素泊まりできるか訊くと、新館で五千円だが当日だと五百円増しだという。手ご
ろである。よろっと、きたがまだ時間が早いのでとりあえずパンフレットだけもら
った。同じぐらいで泊まれるなら、長門湯本温泉のほうが温泉街もあるから魅力的
だ。
午後四時、長門湯本温泉到着。思ったよりは大きな温泉地だ。飛び込みで二、三
軒訊いてみたが、素泊まり料金は八千円からだそうですっぱりあきらめた。
川沿いにいかにも古めかしい共同浴場をみつけ、そこで入浴する。爺さんが多い
せいか更衣室がサロンパスの匂いが充満していた。深めの浴槽で、源泉たっぷりだ
がやや温い。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/5e/44a2337b69cec116aebc9ead4051212e.jpg)
地図を広げてみつけた、内陸のほうにある「於福(おふく)温泉」というところ
まで足を伸ばしてみたが、ボロすぎて泊まりも立ち寄り湯も断念した。
コンビニの駐車場で地図を広げて悩む。
滝部温泉に戻って泊まろうか。しかし二時間弱かかるし、同じ道をまた戻るのも
業腹だ。ううむ。海沿いに進むとしよう。
海沿いの国道にまた戻り、萩方面に向かった。
長門を過ぎたあたりに、湯免温泉「湯免観光ホテル」というところを発見した。
千年以上の歴史のある温泉とはあとで知った。ラジウム泉で皮膚病に効くという。
午後五時をまわっている。時間的にはそろそろ、泊まるところを決めたい。ホテ
ルの前に車を乗りつけた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/98/8611a67554f16eadc08102d00b637d78.jpg)
「あのぅ・・・こちらは素泊まりとか朝食つきで泊まれるでしょうか」
時間も時間なので、多少弱気で訊いた。今日の流れからいくと、期待はあまり
できない。だめなら、二食付きでもいいや。早く畳の上であぐらをかいて、冷えた
ビールでも呑みたい。
「・・・どちらでも結構でございます」
間がややあって、フロントが笑顔で答えた。朝食つきで七千五百円という。近く
のコンビニでなにか買って持ち込んでも構わないそうだ。おお太っ腹、なんと素晴
らしい。
「じゃあ、朝食つき一泊で、よろしくお願いします!」
気が変わったり「やっぱりウッソでーす」なんていわれないうちに、高らかに
一声宣言するように言って、車に荷物をとりに走ったのであった。
九州から本州に戻って、一路山陰は山口に向かうことにした。
高速をおりるまえに王司サービスエリアで給油する。町のガソリンスタンドで
給油をしたらリッターあたり5円はたぶん高いはずなので、ここで車にも腹いっぱ
いにしておくのだ。
小月インターで高速をおり、国道を走る。途中にある温泉を片っ端からはいる心づ
もりである。
午後一時、川棚温泉「川棚グランドホテル」に到着。外観の立派なホテルであ
る。フロントに、立ち寄り湯を訊いたら六百円でやっていた。
風情のまったくない浴室で、早々にひきあげてしまう。浴槽がいくつもあるが、
すべてジャグジーであった。温泉もことのほか薄っぺらであった。半額の三百円ぐ
らいでいいのではと思う。
国道とは名ばかりの細い山道を、地元の車に後ろから煽られながらひた走る。
途中、道に笹が飛び出していて停めて折りたかったが、後続の車がいるのでやむを
得ず、一気にこするようにして通った。
午後二時、一ノ俣温泉「一ノ俣温泉グランドホテル」を道沿いの看板で見つけ
て、すぐさま立ち寄り湯をすることに。料金が千円とはえらく馬鹿高い。あとで
わかったが、日帰り客を大事にしているからだった。立派な休憩室がととのって
おり、半日とか一日ゆっくりできる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/6f/dfa5b9db015a17f647be63f492c82b82.jpg)
浴室は真新しくきれいであった。温泉もアルカリ硫黄泉だから、匂い、肌触りに
もまず満足できた。「西日本一の泉質」と豪語するだけはあるが、どちらかといえ
ば西日本ではなく山口県ぐらいというところだろう。
はたと気がつけば昼を食べていない。腹がぺこぺこである。
国道に戻ってもすぐ店がみつかるかどうか疑問である。このホテルでなにか食べ
られるか訊ねると、カレーぐらいならできますということで、限られたただひとつ
の選択肢のカツカレーで昼食とした。
午後三時、滝部温泉で立ち寄り湯。料金は八百円と、ここもすこし高めである。
素朴な浴室で露天もあり、泉質も悪くない。気に入った。
ここに泊まってもいいかもしれない。
素泊まりできるか訊くと、新館で五千円だが当日だと五百円増しだという。手ご
ろである。よろっと、きたがまだ時間が早いのでとりあえずパンフレットだけもら
った。同じぐらいで泊まれるなら、長門湯本温泉のほうが温泉街もあるから魅力的
だ。
午後四時、長門湯本温泉到着。思ったよりは大きな温泉地だ。飛び込みで二、三
軒訊いてみたが、素泊まり料金は八千円からだそうですっぱりあきらめた。
川沿いにいかにも古めかしい共同浴場をみつけ、そこで入浴する。爺さんが多い
せいか更衣室がサロンパスの匂いが充満していた。深めの浴槽で、源泉たっぷりだ
がやや温い。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/5e/44a2337b69cec116aebc9ead4051212e.jpg)
地図を広げてみつけた、内陸のほうにある「於福(おふく)温泉」というところ
まで足を伸ばしてみたが、ボロすぎて泊まりも立ち寄り湯も断念した。
コンビニの駐車場で地図を広げて悩む。
滝部温泉に戻って泊まろうか。しかし二時間弱かかるし、同じ道をまた戻るのも
業腹だ。ううむ。海沿いに進むとしよう。
海沿いの国道にまた戻り、萩方面に向かった。
長門を過ぎたあたりに、湯免温泉「湯免観光ホテル」というところを発見した。
千年以上の歴史のある温泉とはあとで知った。ラジウム泉で皮膚病に効くという。
午後五時をまわっている。時間的にはそろそろ、泊まるところを決めたい。ホテ
ルの前に車を乗りつけた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/98/8611a67554f16eadc08102d00b637d78.jpg)
「あのぅ・・・こちらは素泊まりとか朝食つきで泊まれるでしょうか」
時間も時間なので、多少弱気で訊いた。今日の流れからいくと、期待はあまり
できない。だめなら、二食付きでもいいや。早く畳の上であぐらをかいて、冷えた
ビールでも呑みたい。
「・・・どちらでも結構でございます」
間がややあって、フロントが笑顔で答えた。朝食つきで七千五百円という。近く
のコンビニでなにか買って持ち込んでも構わないそうだ。おお太っ腹、なんと素晴
らしい。
「じゃあ、朝食つき一泊で、よろしくお願いします!」
気が変わったり「やっぱりウッソでーす」なんていわれないうちに、高らかに
一声宣言するように言って、車に荷物をとりに走ったのであった。
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