温泉クンの旅日記

温泉巡り好き、旅好き、堂社物詣好き、物見遊山好き、老舗酒場好き、食べ歩き好き、読書好き・・・ROMでけっこうご覧あれ!

湯免温泉 山口・長門

2007-03-04 | 温泉エッセイ
  < 湯免まで >

 九州から本州に戻って、一路山陰は山口に向かうことにした。

 高速をおりるまえに王司サービスエリアで給油する。町のガソリンスタンドで
給油をしたらリッターあたり5円はたぶん高いはずなので、ここで車にも腹いっぱ
いにしておくのだ。
小月インターで高速をおり、国道を走る。途中にある温泉を片っ端からはいる心づ
もりである。

 午後一時、川棚温泉「川棚グランドホテル」に到着。外観の立派なホテルであ
る。フロントに、立ち寄り湯を訊いたら六百円でやっていた。
 風情のまったくない浴室で、早々にひきあげてしまう。浴槽がいくつもあるが、
すべてジャグジーであった。温泉もことのほか薄っぺらであった。半額の三百円ぐ
らいでいいのではと思う。
 
 国道とは名ばかりの細い山道を、地元の車に後ろから煽られながらひた走る。
途中、道に笹が飛び出していて停めて折りたかったが、後続の車がいるのでやむを
得ず、一気にこするようにして通った。
 午後二時、一ノ俣温泉「一ノ俣温泉グランドホテル」を道沿いの看板で見つけ
て、すぐさま立ち寄り湯をすることに。料金が千円とはえらく馬鹿高い。あとで
わかったが、日帰り客を大事にしているからだった。立派な休憩室がととのって
おり、半日とか一日ゆっくりできる。


 
 浴室は真新しくきれいであった。温泉もアルカリ硫黄泉だから、匂い、肌触りに
もまず満足できた。「西日本一の泉質」と豪語するだけはあるが、どちらかといえ
ば西日本ではなく山口県ぐらいというところだろう。
 はたと気がつけば昼を食べていない。腹がぺこぺこである。
 国道に戻ってもすぐ店がみつかるかどうか疑問である。このホテルでなにか食べ
られるか訊ねると、カレーぐらいならできますということで、限られたただひとつ
の選択肢のカツカレーで昼食とした。
 
 午後三時、滝部温泉で立ち寄り湯。料金は八百円と、ここもすこし高めである。
素朴な浴室で露天もあり、泉質も悪くない。気に入った。
 ここに泊まってもいいかもしれない。
 素泊まりできるか訊くと、新館で五千円だが当日だと五百円増しだという。手ご
ろである。よろっと、きたがまだ時間が早いのでとりあえずパンフレットだけもら
った。同じぐらいで泊まれるなら、長門湯本温泉のほうが温泉街もあるから魅力的
だ。
 
 午後四時、長門湯本温泉到着。思ったよりは大きな温泉地だ。飛び込みで二、三
軒訊いてみたが、素泊まり料金は八千円からだそうですっぱりあきらめた。
 川沿いにいかにも古めかしい共同浴場をみつけ、そこで入浴する。爺さんが多い
せいか更衣室がサロンパスの匂いが充満していた。深めの浴槽で、源泉たっぷりだ
がやや温い。



 地図を広げてみつけた、内陸のほうにある「於福(おふく)温泉」というところ
まで足を伸ばしてみたが、ボロすぎて泊まりも立ち寄り湯も断念した。
 コンビニの駐車場で地図を広げて悩む。
 滝部温泉に戻って泊まろうか。しかし二時間弱かかるし、同じ道をまた戻るのも
業腹だ。ううむ。海沿いに進むとしよう。

 海沿いの国道にまた戻り、萩方面に向かった。
 長門を過ぎたあたりに、湯免温泉「湯免観光ホテル」というところを発見した。
千年以上の歴史のある温泉とはあとで知った。ラジウム泉で皮膚病に効くという。
 午後五時をまわっている。時間的にはそろそろ、泊まるところを決めたい。ホテ
ルの前に車を乗りつけた。



「あのぅ・・・こちらは素泊まりとか朝食つきで泊まれるでしょうか」
 時間も時間なので、多少弱気で訊いた。今日の流れからいくと、期待はあまり
できない。だめなら、二食付きでもいいや。早く畳の上であぐらをかいて、冷えた
ビールでも呑みたい。
「・・・どちらでも結構でございます」
 間がややあって、フロントが笑顔で答えた。朝食つきで七千五百円という。近く
のコンビニでなにか買って持ち込んでも構わないそうだ。おお太っ腹、なんと素晴
らしい。

「じゃあ、朝食つき一泊で、よろしくお願いします!」
 気が変わったり「やっぱりウッソでーす」なんていわれないうちに、高らかに
一声宣言するように言って、車に荷物をとりに走ったのであった。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ミルク | トップ | 海岸線 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

温泉エッセイ」カテゴリの最新記事