温泉クンの旅日記

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続・わたしの京都旅

2022-06-19 | 京都点描
  <続・わたしの京都旅>

 京都人の九割は朝食にパンを食べているという。
 それほどに京都人はパン好きなのだ。
「千年の都に仏師、宮大工、庭師、染物師、作陶師などいろいろな伝統工芸の職人が集まるのは道理。職人の朝は早く、忙しい。食卓を前に、のんびり悠長な食事はしていられない。だから片手で食べられて簡単にチャッチャッとすませられるパンは重宝された」
 パン好きのわけには諸説あるが、どちらかというとこの“職人説”が、わたしには京都らしい“合理的”な説であるように思える。

「あれっ! 志津屋にも『カスクート』があるじゃねーの!」
 リトル・マーメイドというパン屋の「カスクート」をすこぶる気に入っていて、週に一度は食べている。

 

 香ばしい焼きたてパンにハムとチーズと、それとレタスが挟んであって、これが野菜嫌いのわたしにも絶妙に旨いのだ。
 
 京都に旅すると、わたしは「志津屋のパンで一食賄う」という手をつかって、朝食での路銀の節約を図る。

 

 だから数ある店舗のうち祇園の八坂神社前にある、志津屋祇園店には必ずといっていいほどいく。
 店内に入ると、どうしても定番の「カルネ」を雑踏のなかの恋人のように一心に探してしまい、他のパンに目移りすることはなかったので、カスクートをみつけたときは心底驚いてしまった。
 心を落ちつけて、じっくりあれこれをみてみると、ニューバードと名付けられた揚げソーセージパンらしきものも発見してしまい、狂喜してカルネとカスクートとともに買い求めてしまった。
 ちょっと興奮して一刻も早く食べてみたくなり、コンビニで豆乳を買ってホテルに戻る。

 まずはカスクートからいってみる。

 

「カスクート(カスクルート)」とは、フランス語で軽食とかサンドイッチの総称を意味する言葉で、気軽に楽しめる食事のことで、日本ではバゲットにハム、チーズをはさんだサンドイッチのこととして知られている。

 

 フランスパンに、ボンレスハムとプロセスチーズが挟まっており、どちらもぶ厚い。レタスはなしだ。
 ハムもチーズもそれ自体は、とても美味しいのだが、リトル・マーメイドの“レタスあり“を食べ慣れているのでもの足りない。それと販売形態のせいだろうが、パンの焼きたての香ばしさはほとんどない。

 

 そうして値段がリトル・マーメイドの五割増し、というところがどうしても決定打的に気にいらない。横浜のシウマイ弁当も、味だけでなくコスパーがいいからこその人気なのだ。シウマイの原価を上げてさらに美味しく大きくして、売価を五割増しにしたら常連客はそっぽを向くだろう。

 ところが志津屋もたいしたもので、数か月後に行ったときに「カスクート ミニ」という商品を売り出していた。値段は半分くらいだから、こちらなら満足できる。

 

 

「ニューバード」は揚げソーセージパンではなく、ウインナ一本をカレー風味の揚げパンに押し込めてあるパンで、何度か食べればハマりそうな予感があった。
「揚げソーセージパン」とか「揚げウインナパン」とか、身も蓋もないズバリな名でないところが憎い。どっから持って来たのか「ニューバード」とカッコいいネーミングをつけたところが、さすがは「カルネ」の志津屋で、いかにも「ヒットさせるぞ」という静かな意気込みを感じさせる。

 

「カスクート ミニ」をみつけたとき、同時に「カルネ」をアレンジした「ペッパーカルネ」も発見し、なかなかやるなあと感じた。

 

 定番「カルネ」をオリジナルの中華そばとしたら、百年食堂の厨房であらかじめ胡椒をたっぷり利かせた大人の味わいだ。なかなかのもので、いける。
 どちらを気にいるか、ぜひ食べ比べをお薦めしたい。

 

   →「旅とパン」の記事はこちら
   →「揚げソーセージパン・オンマイマインド」の記事はこちら
   →「わたしの京都旅」の記事はこちら

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