温泉クンの旅日記

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十条・赤羽、ホンキートンク三軒(2)

2015-06-17 | 食べある記
  <十条・赤羽、ホンキートンク三軒(2)>

 揚げソーセージパンを一個買って鞄に入れ、呑みたらないのでひと駅先の赤羽に向かう。
 前回に行った赤羽東口一番街裏、OK横丁入り口にある「若大将」の暖簾を潜る。テーブル席はいっぱいなのでカウンター席に座り、焼き茄子と甘海老をつまみに芋焼酎の水割りを呑む。やはり乙類の焼酎のほうがわたしの身体に合っている。



 途中から新潟柏崎の地酒「越の誉 大辛口」の冷酒に切り替えた。



 冷酒二本を呑んだところで、いつか行ってみようと思っているおでん屋を思いだし、下調べにいってみることにした。最近、民放とNHKでそのおでん屋「丸健水産」が相次いで紹介されてしまったので混んでいるはずなのだ。

 見当をつけていた路地を入る。
(あれれ、思ったよりデカい店構えだぞ・・・)





 立ち飲みのテーブルをみると、なんと空きスペースがかなりある。おでん鍋の前に並ぶ客はとみると五、六人である。
 うそ。下見でなく呑めそうなのでつい舞い上がってしまい、列の後ろに並んでしまった。



「はい、なにを」
 前がグループ客だったため順番がいきなりきて、威勢のいい若い大将に声を掛けられ慌てる。
「ちくわ・・・」
 いかん、「ちくわぶ」と言い直したときにはすでにちくわとちくわぶが皿に盛られてしまい、さらに逆上する。以上でいいか、と眼で訊かれ、「あと大根」と反射的に答える。
「飲み物は?」
 この店、わたしのような他の店で呑んできた客は「一杯だけ」という掟があるのである。さきほどまで酒なので江戸の地酒「丸眞正宗」にしよう。
「ワンカップを」

 勘定をすませて、喫煙用テーブルの空きに割り込み一服点けてからハタと気が付いた。いつかこの店に来たら絶品の「はんぺん」を頼むと決めていたことに。くそっ、しまった。



「わしは、少ない年金で呑むからこんな安い立ち呑みの店しかこられないんだよォ」
「えー、でもいい店じゃないですか。こんな店近所にあるなんて羨ましいわあ!」
 年金お爺さんと神奈川から来たという女子大生グループに囲まれて、秘かに臍をぎりぎりと噛む。
ああ、いかん、すっかり呑みきってしまった。すこし酒を残しておでんの「だし割り」にするんだった・・・。

 赤羽からの帰りの乗車時間が長かったせいか、冷酒が覿面に効いて爆睡し、いつものように乗り過ごしてしまい暫し反省の塊と化したのであった。



  →「鬼子母神から王子権現へ(3)」の記事はこちら
  →「十条・赤羽、ホンキートンク三軒(1)」の記事はこちら

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