温泉クンの旅日記

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塩原温泉(2)

2018-06-17 | 温泉エッセイ
  <塩原温泉(2)>

 塩原温泉も、すぐ近くにある那須温泉と同じように、東北への長距離旅のときの渋滞回避のための一泊目に泊まることがほとんどだった。
 通常通りに仕事を終えてからの出発だから、塩原到着は九時過ぎだったり、宿泊客がそろそろ眠りにつきはじめる十時を廻ることもたびたびであった。そして翌朝は渋滞に追いつかれぬように早めに発つので、朝食も抜きのあっけない素泊まりだ。

 これまで塩原温泉に四、五泊はしていて、会津からの帰りに秘湯などに何度か日帰り入浴もしたりしているのであるが、なぜか一度も記事にしたことがなかった。これはというエピソードや画像がなかったなど自分としては言い訳もあるが、なんとも申し訳ない。

 そういうわけで、今回、二食付きで宿泊をすることにした。
 宿賃がリーズナブル、もちろん温泉のレベルも高いとこだからハードルはけっこう高い。探しまくったあげく、ついにみつけた。平日マル得コース、消費税を抜けば大一枚ピッタンコの一万八百円とかなりの格安値段だ。



 一階大浴場に近い、玄関ロビーの真裏にある宴会場三つ分を抜いたところが夕食会場だった。
 卓上に、ずらりと献立を書いた紙が置いてあって上客でもないのにとちょっと驚く。飲み物を訊かれ、熱燗をもらうことにした。食べ終わったらすぐ温泉にいくつもりだから、二合までと自分に言い聞かせる。



 先付は日光湯波豆腐、刻み紫蘇葉、生姜で、目の前のお造りはプレミアムヤシオマス紅葉、那須塩原産岩魚、日光湯波、鯛松皮造り、妻一式とあった。
 焼物は、鰆の山椒焼き、若竹の子素焼き蕗味噌添え、甘味、はじかみである。



 油物は稚鮎の衣揚げ、地竹、季節の野菜、レモンと桜素塩でいただく。



 炊合せは合鴨ロース、穂先筍、春蕪、青味、飾り人参。



 強進は、光雲荘名物「石焼き樽」である。
 野趣満点の石焼き樽は、その昔、またぎたちが熊や鹿を追っていた時代に、山奥で食べていたのを再現したそうだ。たしか新潟か秋田あたりで同じような料理を食べた記憶があった。



 那須三元豚、季節の野菜をいれた樽に焼け石を投入、石がじゅうじゅうと汁を沸騰させ、遠赤外線が素材をまろやかな味に変えてくれるよう十分から十五分待ってから、熱々をふうふういいながら食べる。
 それに蕎麦である。



 蒸し物は、道明寺彩り桜蒸し、蟹あんかけ。



 献立に酢の物は海老と順菜の吉野酢掛けとあるのだが、この料理だけ画像がないがきっと撮り忘れであろう。もしも一品出し忘れだとしても酒呑みとしては怒るつもりは毛頭ない。
 食事は赤出汁、栃木産こしひかり、湯波山椒ふりかけ、自家製漬物盛合せだ。





 最後の水菓子の温泉プリンを半分残すと、卓に置いたタオルを引っつかみと貸切風呂に急いだのである。


   ― 続く ―


    →「塩原温泉(1)」の記事はこちら


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