<十条の鯖燻(1)>
上野東京ラインができて、東京が始発駅でなくなったことと混み具合が増えたことのデメリットもあるものの、酒場の多い赤羽駅に乗換なしで気軽にいけるメリットも生まれた。
十条にいくには上野東京ラインを使って赤羽へ行き埼京線でひとつ戻るのが一番早いのだが、この日は池袋を目指したので湘南新宿ラインを使った。
池袋西武の催事場で「春の北海道うまいもの会」をやっていたからだ。なに、暇つぶしである。久しぶり。デパートの催し物は駅弁大会以来である。
あちこちで旨そうな弁当が並んでいるが軽く昼食をすませてきたので食指がぴくりとも動かない。
ルタオのコーナーで、その食指がぴくぴく動きはじめた。スイーツ嫌いで通っているが、年に数回はスイーツ好きに変身するのだ。
ルタオ銀龍イチゴパフェ。十勝の「銀龍」イチゴとソフトクリームにマカロンとチーズケーキがトッピングされている。個数限定の品物である。わたしは苺好きでもある。ちょいと高いが年に数回のことだ。奮発して購入し、近くの立食テーブルで食べることにした。
いやあー、これが美味かった。
冷たいソフトクリームをまとった小粒な苺だが、酸味と甘みがほどよく最高だ。
食後、この後味を消したくないのでしばらく他のものを食べずにおきたいくらいである。北菓楼で土産を買いたいが、これから呑みにいくので荷物は邪魔なのであきらめる。
池袋駅に戻り、埼京線で二つ目の十条駅。初めて降りる駅である。
去年の一月、「読んだ本 2013年12月」の記事のなかで、こんなことを書いた。
『大晦日から正月三日まで「孤独のグルメ」というドラマにはまってしまった。大晦日が六時間、元旦から三日まで各三時間で、合計十五時間も観たことになる。
地上波で週一回放映されたテレビ番組なのだが、放送時間が深夜のため、そのころに酔い潰れてしまうわたしはついぞ観る機会はなかったのである。原作の漫画も読んだことはなかった。わたしが食べた鳥取の素ラーメンも「孤独のグルメ」で既に漫画化されているそうである。
主人公は、酒がまるで呑めない井之頭五郎である。個人で輸入雑貨商を営んでいることから、あちこちに仕事に出掛けなくてはならず、食事も訪問先の町でとることになる。下戸なゆえ、食べることが大好きで、一食に二人前くらい軽く食べてしまう、大食いである。
食事シーンがメインの単純なドラマで、料理を食べながら主人公ゴローがいろいろ呟くのだが、軽妙洒脱な芝居をみせてくれる役者(松重豊)がいいので、けっこう飽きないのである。
十五時間すべて観て、気になった店は三軒、日本橋人形町の黒天丼、十条の赤提灯と川崎のラーメン屋だ。特に川崎の魔界のようなラーメン屋は、昼間から呑んでいる客ばかりというのが多いに興味がある。一度行ってカレーをつまみに呑んでみたい。十条の鯖の燻製のほうもだが。まあ、わたしは食べるのも好きだが、呑むほうが大好きだからね。それにしても、日本橋は天丼の旨い店が多いのだな。』
今日は、このときに書いた十条の赤提灯に向かうのだがまだ早い。川崎にある魔界のようなラーメン屋には一年以上経った二月に行った。待ちに待ったもう一軒をこれから訪ねるのである。
開店するまでの時間潰しに十条銀座をぶらぶらすることにした。
― 続く ―
→「元祖駅弁大会」の記事はこちら
→「鬼子母神から王子権現へ(3)」の記事はこちら
→「新丸子、レイの食堂」の記事はこちら
→「読んだ本 2013年12月」の記事はこちら
上野東京ラインができて、東京が始発駅でなくなったことと混み具合が増えたことのデメリットもあるものの、酒場の多い赤羽駅に乗換なしで気軽にいけるメリットも生まれた。
十条にいくには上野東京ラインを使って赤羽へ行き埼京線でひとつ戻るのが一番早いのだが、この日は池袋を目指したので湘南新宿ラインを使った。
池袋西武の催事場で「春の北海道うまいもの会」をやっていたからだ。なに、暇つぶしである。久しぶり。デパートの催し物は駅弁大会以来である。
あちこちで旨そうな弁当が並んでいるが軽く昼食をすませてきたので食指がぴくりとも動かない。
ルタオのコーナーで、その食指がぴくぴく動きはじめた。スイーツ嫌いで通っているが、年に数回はスイーツ好きに変身するのだ。
ルタオ銀龍イチゴパフェ。十勝の「銀龍」イチゴとソフトクリームにマカロンとチーズケーキがトッピングされている。個数限定の品物である。わたしは苺好きでもある。ちょいと高いが年に数回のことだ。奮発して購入し、近くの立食テーブルで食べることにした。
いやあー、これが美味かった。
冷たいソフトクリームをまとった小粒な苺だが、酸味と甘みがほどよく最高だ。
食後、この後味を消したくないのでしばらく他のものを食べずにおきたいくらいである。北菓楼で土産を買いたいが、これから呑みにいくので荷物は邪魔なのであきらめる。
池袋駅に戻り、埼京線で二つ目の十条駅。初めて降りる駅である。
去年の一月、「読んだ本 2013年12月」の記事のなかで、こんなことを書いた。
『大晦日から正月三日まで「孤独のグルメ」というドラマにはまってしまった。大晦日が六時間、元旦から三日まで各三時間で、合計十五時間も観たことになる。
地上波で週一回放映されたテレビ番組なのだが、放送時間が深夜のため、そのころに酔い潰れてしまうわたしはついぞ観る機会はなかったのである。原作の漫画も読んだことはなかった。わたしが食べた鳥取の素ラーメンも「孤独のグルメ」で既に漫画化されているそうである。
主人公は、酒がまるで呑めない井之頭五郎である。個人で輸入雑貨商を営んでいることから、あちこちに仕事に出掛けなくてはならず、食事も訪問先の町でとることになる。下戸なゆえ、食べることが大好きで、一食に二人前くらい軽く食べてしまう、大食いである。
食事シーンがメインの単純なドラマで、料理を食べながら主人公ゴローがいろいろ呟くのだが、軽妙洒脱な芝居をみせてくれる役者(松重豊)がいいので、けっこう飽きないのである。
十五時間すべて観て、気になった店は三軒、日本橋人形町の黒天丼、十条の赤提灯と川崎のラーメン屋だ。特に川崎の魔界のようなラーメン屋は、昼間から呑んでいる客ばかりというのが多いに興味がある。一度行ってカレーをつまみに呑んでみたい。十条の鯖の燻製のほうもだが。まあ、わたしは食べるのも好きだが、呑むほうが大好きだからね。それにしても、日本橋は天丼の旨い店が多いのだな。』
今日は、このときに書いた十条の赤提灯に向かうのだがまだ早い。川崎にある魔界のようなラーメン屋には一年以上経った二月に行った。待ちに待ったもう一軒をこれから訪ねるのである。
開店するまでの時間潰しに十条銀座をぶらぶらすることにした。
― 続く ―
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→「鬼子母神から王子権現へ(3)」の記事はこちら
→「新丸子、レイの食堂」の記事はこちら
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