温泉クンの旅日記

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柏倉温泉、桜花爛漫の宿(2)

2017-04-26 | 温泉エッセイ
 <柏倉温泉、桜花爛漫の宿(2)>

 フロントでチェックインすると、仲居さんの案内でロビーの前にある池に沿った廊下を通り、部屋に向かう。



 濁った池には夥しい数の鯉が泳いでおり、鯉料理が大嫌いなわたしはまさか夕食に出るのではあるまいかと、横目で池を見ながらなんとなく気になってしまう。



 今宵の部屋は離れである。というと贅沢そうに聞こえるだろうが、この宿の総部屋数は六室ですべて離れなのだ。
 わたしが払う並クラスの宿泊料金で、九州の由布院あたりの宿の離れを想像してはいけない。もちろん部屋付きの露天風呂などは無しである。



 案内されたのは独立した離れで、炬燵が用意してある部屋に通された。長方形の長い辺に二人並んで座れそうな大きさの炬燵である。
 桜は満開で昼間は暖かいのだが陽が落ちるとまだまだ寒い、と仲居さんはいう。
 さっそく着替えて温泉棟奥にある「蔵の湯」に急ぐ。



 大浴場の広めの浴槽から入ってみることにする。
 温泉というよりはただの風呂に入っている感じである。掛け湯をしていたとき強めの塩素臭がしたので温泉ではないようだ。


 
 外の岩造りの露天風呂はなかなかいい雰囲気だ。





 湯の面に散った桜の花びらが浮いていて、風情だけはたっぷりある露天である。
 外気で塩素臭も消えてはいるが、掛け流しであるのに温泉臭がまったくしない。



 なかに戻ると、大浴場の横に小さな風呂があった。これがたぶん源泉風呂ということなのだろう。



 太子霊鉱泉之由来によれば、

「太子霊鉱泉の湧出地は、栃木市柏倉字寺山一一六一番ノ一の山林中腹に湧出地がある。昔より獅子の水呑み場として有名であった。なぜならば、獅子始め山の動物達が、その霊泉を呑むと立所に傷始め体調が良好になるため十里四方の動物達が、集って霊泉を呑んだと云う。其の湧出地が大阿久家所有の山林なので大阿久家五十一代大阿久岩作当家の守護神たる聖徳太子の名を戴き、太子霊鉱泉と名付け、温泉を開業、広く諸氏の為に奉仕致すべく今日に至っている次第であります」

 と書いてあった。
 たしかに温泉臭もあるが、泡風呂にしているところがちょいと気にいらない。ひとり入ればいっぱいの浴槽と泡風呂から考えるに源泉である単純酸性鉄冷鉱泉の湧出量は極めて少ないのだろう。

 温泉通のひとりとして栃木県内にいい温泉はたくさんあることはもちろん知っていたが、栃木市のこの宿を知ったのはつい最近、それも将棋記事でだからしょうがないか。

 温泉旅は、だいたい転地効果と温泉効果を相乗的に旅人に与えてくれるものだが、今回は桜花と閑静さを楽しむことにして温泉効果のほうは薄そうだ。一番高い離れにだけ露天風呂がついていたようだが、あまり有り難みはなさそうである。
 そういえば炬燵が置かれた襖の向こうの部屋には蒲団が敷かれていたな。一時間ほど昼寝を楽しむとするか。


  ― 続く ―


   →「柏倉温泉、桜花爛漫の宿(1)」の記事はこちら
   →「由布院温泉 (1)」の記事はこちら
   →「由布院温泉 (2)」の記事はこちら
   →「由布院 (2)」の記事はこちら


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