<さくらんぼ狩 山形・東根 >
六月はさくらんぼの季節である。
・・・さくらんぼ狩をしよう、と思い立った。もちろん、向かうのは山形であ
る。
なにを隠そう、わたしは、さくらんぼ好きなのだ。旅先ではパックで買って、
湯上りに冷蔵庫ですこし冷やしたのを食べるのが好きである。甘さだけでなく、
すこしだけ酸味があるほうがどちらかといえば好みである。
十年ひと昔ということでいうと、ふた昔半以上ぶりのさくらんぼ狩だ。
そのときは天童駅の前の案内所で訊いて、東根あたりの果樹園まで車で行き
さくらんぼ狩をした。まだ「さくらんぼ東根駅」なんていう駅はなかったのだ。
今回はまっすぐ、さくらんぼ東根駅の案内所に向かった。
次の週からは「路地もの」で料金がぐっと安くなるのだが、今週はまだ「温室
もの」なので料金は高く、二千五百円だという。
(よーし、わかった。三千円ぶんくらい喰ってやる!)
本日は三軒の果樹園が営業しているとのことで、地図をもらって向かう。
迷わず一番最初の果樹園「神町観光果樹園」に決め、二千五百円を支払い、娘
さんに案内されていざ温室へ。
(おぉ・・・なってる、成ってる。しかも、この温室他に客はいない! 独占状態
だ)
「これって、佐藤錦ですか・・・?」
興奮してきた。ちょっとだけ酸味がなくてもいい。もう佐藤錦、早く食べたい。
「そうです」
「ぜ、ぜんぶ?」
「ええと、一本だけ違うのですが、○△x?といいます」
佐藤錦で元をとることしか頭にないわたしは、覚える気もなくまったく聞いては
いない。
「たしか制限時間は二十分でしたっけ」
時計にちらちら目を走らせながら確かめる。ここが重要だ。こんな無駄話も、
もう時間がカウントされているかもしれない。
「今日は、特別に時間無制限でかまいませんから」
「えっ! あとで冗談だったとかありませんか?」
「だいじょうぶです。あと二、三日で路地ものになってしまいますから」
あはは、それはいい。なんていいヤツだろう。余裕ができると娘さんが、俄然、
みるみる可愛く見えてきた。さくらんぼの手折りかたを教わり、いざスタートで
ある。
猿(ましら)のように樹から樹へ、怪鳥のように枝から枝へ目にもとまらず倍速
で動き回り、とっては食べ、種は無作法にあちこちに吹き飛ばす。
(ふぅ~、ざっと三、四千円ぶんくらい喰ったな・・・)
大きめなパックひとつと半分くらいをたいらげて、事務所に戻ると、無料で蕎麦
をふるまうから食べていけという。
果樹園の社長自らの手打ちの山形蕎麦である。「あらき」に行こうかと思ったが
一食助かる。ありがたくいただくことに。
いやあ、昼食つきのさくらんぼ狩なら二千五百円は誠にお得であった。蕎麦を
モグモグ食べていると、ようやく客が現れ始めてきた。早めに来て正解であった。
それにしても、腹いっぱい佐藤錦を食ったあとの、山形蕎麦はジツに手ごわかっ
たな。
→「あらき」の蕎麦の記事はこちら
六月はさくらんぼの季節である。
・・・さくらんぼ狩をしよう、と思い立った。もちろん、向かうのは山形であ
る。
なにを隠そう、わたしは、さくらんぼ好きなのだ。旅先ではパックで買って、
湯上りに冷蔵庫ですこし冷やしたのを食べるのが好きである。甘さだけでなく、
すこしだけ酸味があるほうがどちらかといえば好みである。
十年ひと昔ということでいうと、ふた昔半以上ぶりのさくらんぼ狩だ。
そのときは天童駅の前の案内所で訊いて、東根あたりの果樹園まで車で行き
さくらんぼ狩をした。まだ「さくらんぼ東根駅」なんていう駅はなかったのだ。
今回はまっすぐ、さくらんぼ東根駅の案内所に向かった。
次の週からは「路地もの」で料金がぐっと安くなるのだが、今週はまだ「温室
もの」なので料金は高く、二千五百円だという。
(よーし、わかった。三千円ぶんくらい喰ってやる!)
本日は三軒の果樹園が営業しているとのことで、地図をもらって向かう。
迷わず一番最初の果樹園「神町観光果樹園」に決め、二千五百円を支払い、娘
さんに案内されていざ温室へ。
(おぉ・・・なってる、成ってる。しかも、この温室他に客はいない! 独占状態
だ)
「これって、佐藤錦ですか・・・?」
興奮してきた。ちょっとだけ酸味がなくてもいい。もう佐藤錦、早く食べたい。
「そうです」
「ぜ、ぜんぶ?」
「ええと、一本だけ違うのですが、○△x?といいます」
佐藤錦で元をとることしか頭にないわたしは、覚える気もなくまったく聞いては
いない。
「たしか制限時間は二十分でしたっけ」
時計にちらちら目を走らせながら確かめる。ここが重要だ。こんな無駄話も、
もう時間がカウントされているかもしれない。
「今日は、特別に時間無制限でかまいませんから」
「えっ! あとで冗談だったとかありませんか?」
「だいじょうぶです。あと二、三日で路地ものになってしまいますから」
あはは、それはいい。なんていいヤツだろう。余裕ができると娘さんが、俄然、
みるみる可愛く見えてきた。さくらんぼの手折りかたを教わり、いざスタートで
ある。
猿(ましら)のように樹から樹へ、怪鳥のように枝から枝へ目にもとまらず倍速
で動き回り、とっては食べ、種は無作法にあちこちに吹き飛ばす。
(ふぅ~、ざっと三、四千円ぶんくらい喰ったな・・・)
大きめなパックひとつと半分くらいをたいらげて、事務所に戻ると、無料で蕎麦
をふるまうから食べていけという。
果樹園の社長自らの手打ちの山形蕎麦である。「あらき」に行こうかと思ったが
一食助かる。ありがたくいただくことに。
いやあ、昼食つきのさくらんぼ狩なら二千五百円は誠にお得であった。蕎麦を
モグモグ食べていると、ようやく客が現れ始めてきた。早めに来て正解であった。
それにしても、腹いっぱい佐藤錦を食ったあとの、山形蕎麦はジツに手ごわかっ
たな。
→「あらき」の蕎麦の記事はこちら
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