温泉クンの旅日記

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かみのやま温泉(2) 山形・上山

2015-08-26 | 温泉エッセイ
  <かみのやま温泉(2)>

 そろそろ頃合いの時間になったので宿にチェックインした。



 部屋に案内され、すぐに着替えて温泉に急ぐ。

 かみのやま温泉は、別名「鶴脛(つるはぎ)の湯」と呼ばれていた。
 いまから五百年余り昔のこと、肥前の国(佐賀県)の月秀(げっしゅう)という旅の僧が、沼地に涌く湯に一羽の鶴が脛を浸し、傷が癒えて飛び去っていく姿を見かけたのが始まりといわれている。その鶴が休んだ石「鶴の休石」が湯町にあり、かみのやま温泉発祥の地とされている。



 先に書いたが、かみのやま温泉には大箱の宿が多い。部屋数が多いということはイコール収容人数が多い。宿が自家源泉を持っていれば別だが、とても別府温泉のような膨大な湧出量はかみのやま温泉にはないので、たいてい循環濾過になる。ゆめゆめ、大箱宿に<源泉掛け流し>などを期待してはいけない。
 ここもそうで、内湯より露天の方がすこしだけマシだったが・・・。



 温泉一本にこだわるのなら自家源泉を持つ宿賃が高い宿を厳選するか、宿賃を抑えて地区ごとにある共同浴場を利用するのがベストだ。泉質はナトリウム・カルシウム塩化物・硫酸塩温泉で、泉温は六十六度とかなり高い。



 上山市内には湯町、新湯、葉山、など七地区に温泉があり、総称して「かみのやま温泉」と呼んでいる。
 新湯、湯町の界隈は城下町として栄え、随所に往時の面影を残す屋敷や蔵が佇む。
 葉山は離れた高台にあり、蔵王連峰が一望できる。あの人気宿である「日本の宿 古窯」は葉山にあるのだ。

 さて、時間が早いがそろそろ外出することにする。
 かみのやま温泉には食事というか酒が呑める店がいっぱいあるのを知っているので、夕食が付かない宿泊にしたのである。
 ところが、珍しく感がはずれて一軒目で大失敗した。店は良かったのだが、排煙設備が最悪だった。焼鳥の焼台の前のカウンターに座ったのだが、真上の排煙する吸い込み口が詰まっているのか全部店内に逆流して流れこみ、一番近いわたしは燻りだされた狸さながらの状態になってしまい、二杯目の途中で逃げ出したのだ。頼んだつまみもほとんど半分くらい手つかずで。
 外の新鮮な空気を肺に満たし、気を改めて二軒目の店へ。



 気分を変えて女将お薦めの限定販売の地酒「九郎左衛門 裏・雅山流」を呑む。クロウザエモン、ウラガザンリュウ・・・えっ、裏柳生流・・・じゃないよね。変な顔するわたしに女将が一升瓶を持ってきてみせてくれた。



 もの凄い名前だが、キレがあって旨い。くいくいいってしまう。
 昼をろくに食べてなかったので猛烈に腹が減り、おにぎりを頼み、それを禁じ手のつまみにしてしまう。邪道の極み? なんとでも言え。焼き鯖定食でガンガン呑むヤツ知っておるぞ。



 時間が早いのと、まだ腹が減っているのでもう一軒いくことにする。





 山菜のこごみの突出しで焼酎を一杯呑み、締めのラーメンも調子にのって注文してしまう。自家製麺だそうで、あっさりしたスープによく合う。山形ラーメン、侮れないなあ。



 翌日の朝は二日酔いだか二日喰いのせいなのか、いつものようには朝食をあまり食べられなかった。




  →「かみのやま温泉(1)」の記事はこちら
  →「続・鉄輪温泉(1)」の記事はこちら
  →「続・鉄輪温泉(2)」の記事はこちら


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