温泉クンの旅日記

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津軽そば

2013-09-18 | 食べある記
  <津軽そば>

 先月、「津軽百年食堂」という本を読んで津軽そばを猛烈に食べたくなった。津軽には何度か行っているのだが、寡聞にして知らなかったのである。

 弘前にある「三忠食堂本店」。



 読んだ本の最後のほうのページに「百年食堂」が十軒ほど記載されていて、ここもそのひとつなのだ。もちろん営業を始めて百年を超す店である。



「本日、津軽そばあります」と書いてあるが、暖簾が出ていない。なかを覗くと、奥に客がひとり食事をしていたので、一応やっていますかと声を掛けながら店内に入った。



「津軽そばをひとつください」
 水を運んできた四代目になるご主人に、メニューも見ずに注文した。
 灰皿がテーブルに置いてあったので、食前の一服をすることにした。

 津軽そばは主人が蕎麦を打ち、奥さんが出汁をひく。出汁に使う鰯の焼き干しは頭と内臓をとっているので、出汁に雑味が出ないそうだ。



  『津軽蕎麦は、東京の蕎麦とは作り方がまるで違う。まず、蕎麦粉に熱湯を混ぜて
   蕎麦がきを作る。それをこぶし大の玉にして井戸水に浸けたまま一晩から二晩
   寝かせる。この玉を「こねり」と言う。次に、呉汁と呼ばれる大豆をしぼった豆乳
   のような汁と大豆粉を、寝かせておいた「こねり」に混ぜながらよく練り、それを
   薄く延ばして切って、蕎麦の麺にする。その麺を茹でて、出汁に入れてすぐに
   食べれば「煮立て蕎麦」だ。

   一方、茹でてすぐに食べず、一日冷まして、麺を一食分ずつ玉にして置き、さらに
   一晩から二晩寝かせ、いざ食べるときに再度さっと湯通しして、汁に入れて食べる
   のを「煮置き蕎麦」という。伝統的な津軽蕎麦は、この「煮置き蕎麦」のことを
   指す。』
      小学館文庫 森沢明夫著「津軽百年食堂」より




 運ばれてきた津軽そばは、たしかに麺がポロポロと切れやすいので食べるには微妙で丁寧な箸使いが必要である。



 殆ど徹夜で運転してきたわたしの胃袋に、出汁がいかにも胃に優しくて旨い。
 雑味のない透き通ったスープを一滴も残さずにきれいに平らげた。



(まだ、ちょっと足らないなあ・・・)
 この店を楽しみに、深夜からいままで食べないようにしてきたのだ。だから腹五分目くらいでもの足りない。



 メニューを見上げて、津軽そばをもう一杯食べようかとすこしだけ悩むが、気が変わって中華そばを追加する。



 こちらもなかなか味わいのあって美味しいラーメンだったが、さすがに二杯目なのでスープを少しだけ残してしまった。特筆すれば、麺の味がとても懐かしかった。
 大満足、満腹した。

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