大牟田・オープンシャッター・サロン茶塘

商店街の活性化を目指して、大牟田市新栄町の空き店舗を改装、サロン茶塘が開設された。茶塘や商店街のイベントを紹介します。

コロナ禍で浮かび上がった〈生理の貧困〉

2023年08月06日 05時22分33秒 | 日記

文化人類学者・波平恵美子さんの「パズルみたいな文化人類学」が西日本新聞に連載されています。内容は多彩で例えば標題には、「〈足るを知る〉を知る」、「明治の大リストラと〈文化遺産〉」、「沈黙の交換」、「漁村の女性たち」等などあり、そうそう姥捨ての話もありました。
 7月24日号には〈生理休暇〉が取り上げられ注目しました。
 まず、〈生理の貧困〉について取り上げられています。「新型コロナウィルス感染症拡大期に、多くの人が収入減に見舞われ、〈生理の貧困〉問題が浮上しました。毎月必要な生理用品を買う経済的余裕のない女性たちの存在に、社会が改めて気がついた」ことをくっきりされています。これは単に日本だけのことではなく「発展途上国では、女性の将来まで左右する大きな問題として指摘されてきた」とのことです。又、「貧困家庭にとって機能性の高い生理用品は高価で、子どもに買い与えることが難しく、月経中は学校を休みがちになります。女子生徒は学力にハンディキャップを負い、上級学校へ進学する可能性を失う」事を問題にされています。「月経は女性のきわめて個人的な経験ですが、活動を制限して進学・就職に不利を生じさせ、結果、女性の社会的地位が男性より低くなるという政治的な問題を確かにはらんでいる」事を提起されます。
 「問題の根底にあるのは『形式だけの男女平等社会』です。月経によって明らかに身体的負担が女性へ偏重していても、それに対して配慮を受けづらく、職場や学校では男性と同様に立ち回らなければならないのが現状で、そのため女性は常にハンディを抱えるのです」と言われます。
 そして、実は「日本では先進国でも珍しく、労働基準法で生理休暇が保障されていて、正規・非正規に関係なく、働く女性の権利になっています」とあって〜これはすごいことです!
 ところが「ただし自己申請制で、就労に支障があるほどの体調不良が条件で、有給休暇とも規定されていません。女性たちが、体調が悪くても低量ピルや痛み止めを服用し、通常通り働く傾向があるのは当然でしょう。」とあり、生理休暇が有名無実化していることも問題にされています。
 「日本の生理休暇のように男性目線で作り上げられたら産業構造と社会構造に月経を囲い込んで〈女性活躍〉などとうたっているところに、全ての問題の本質があります」と結論付けられていますね。〜ちょっと分かりづらい内容です。生理休暇は現在どんな内容になっているのか、ネットで勉強しようかと思いました。労働組合の取り組みはどうなっているのかも知りたいです。
(下:2023年7月24日 西日本新聞−波平恵美子・文化人類学者/挿画・江口信博〈パズルみたいな文化人類学〉㊴「〈生理の貧困〉の正体」より)

今日は広島原爆の日です。