小樽のパパの子育て日記

日々のできごとを徒然なるままに2006年から書いて19年目になりました。
ヤプログから2019年9月に引越し。

自己愛な人たち

2012-12-12 05:29:52 | インポート
図書館で借りた本。



自己愛な人たち

自己愛は、自分を肯定して生きていくために大事なもの。
けれども、ときに自分でももてあましたり、歪んだ人間関係をもたらしてしまう厄介なもの。
そんな相反する意味合いを持つ、自己愛について考えるエッセイ。

自己愛には、どこか気恥ずかしさが伴う。
あって当然だし、それによって人は支えられる。
しかし自己愛を剥き出しにするのは「えげつない」。
我々はいつも自己愛を扱いあぐねている。
しかも我々はさまざまな形で自己愛を脅かされる。


自己愛の強い人たちは、小競り合いにのめり込む。
鷹揚さや泰然さとは正反対の性向を備えている。
けちくさいライバル視、いじましい支配欲、相手の欠点や弱点を見つけ出すことへの執念、
どこか論点のずれた自己正当化、他者を蔑もうとする欲望の激しさ。
彼らは志を欠く。
どんなに壮大なプロジェクトに関わっていたとしても、彼らの前では目先の小競り合いが
最優先事項となる。

あー自分のことが書かれているようで自己嫌悪。

自己愛なんてうんざりだ、この世から消えて失せてしまいたいなどと感じている人間にとっては、
自己嫌悪や自虐こそが「立つ瀬」をもたらす。
それらが持ち合わせている暴力的な要素が気晴らしとなる。
どうやら人間にとって自己嫌悪に陥ったり自虐的な振る舞いをすることは
「持って回った」自己愛の発露であり、それは屈折した愉しみと言えるではないか。

なかなか面白く読めました。