
その日、カウンターがいっぱいで奥の席に座っていただいた。
しばらくして、その客から「おい、なんだその顔は」と言われ、カチンときて、
「こういう顔でやっているんですけど、何か悪いんですか」
と言い返してしまった。
「なんだと、今なんて言った。」
客は立ち上がり、怒ってそのまま帰ってしまった。
その夜、気持ちが悪くて、ずっと考えていたが、やはり、そのお客さんの近くまで行って
「今日はようこそいらっしゃいました。ちょっと今日は端のほうになりますがよろしいでしょうか」
と一言、言うべきだったと反省した。
お客様はその一言があるかないかだけで、気分が違うということを自分はまだ身をもって知ってはいなかった。
お客様を迎えるときに、目を見て迎えるとか、お飲み物を出したときに、お疲れ様です、と一言言うとか、そういうことを心がけそのトラブルのあとずっと実行している。
あのとき、そのお客様が怒ってくださらなければ、気づかないことだった。
(図書館で借りた本から)
----
一言あるかないかで結果が大きく変わってしまうことがあります。
ありがとう、すいません、はもちろんですが、
「ちょっとご相談があるのですが、」
「お耳にいれておきたいことがあるのですが、」
などの一言もあるかないかで、話がトントン拍子に進んだり、まったく進まなくなったりします。
ちょっとした一言って、とても大事です。