夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

贋作考 大津絵 太夫図  

2019-09-13 00:01:00 | 掛け軸
漆器の手入れの第4弾です。



箱書には「明治三十八年□八月 □□吸椀 二拾人揃入」とあります。ということは1905年の作品です。今から100年以上前の作品です。



蓋には蝶の彫。なんともモダンです。



100年前、正確には114年前の作。50年前の漆器を云々する方もいますが、漆器はやはり明治期でしょう。



内側には蓋と器本体に「ススキ?」の文様があります。



古来よりあるものはあらたに集めたものに対して重みがあります。まだ全部手入れしたわけではありませんが、このような作品が手入れしきれないほどあります。ただ夜更けに口笛を吹くながら楽しみながらできるのは好きだからでしょう。



本日の本題です。

最初に本ブログで「贋作考」と題されて投稿されている作品は、紹介した作品が必ずしも贋作だとは限りませんので、本文の内容を注意深く読んでください。てっきり贋作だと勘違いされて解釈されては困ることもあります。あくまでも100%は真作とは当方では言い切れないという作品であるという意味です。

贋作考 大津絵 太夫図  
紙本着色軸装 軸先 合箱 
全体サイズ:縦1485*横325 画サイズ:縦690*横240

 

大津絵は民芸運動もあって人気が出たために、昭和に入ってから贋作が作られるようになり、紙自体に茶などで古色をつけており、古く見せるためにさらに折っていくため、折り目が均等に入っているようなものは割に贋作が多い。本作品もそのような贋作の可能性を購入時には疑ってかかったが、実物をよくみるとそのような小細工をした形跡はみられない。



大津絵は最盛期の江戸期かどうかで大きく評価が違う点を肝に銘じておく必要がある作品群であり、古く見せるための贋作や時代の下がった作品が数多く出回っているようです。



本作品は改装されており表具はそれなりに気を使った表具となっています。



箱もそれなりにいい箱になっています。贋作はこのようなところが粗末になっているものです。



大津絵に資料には下記の本があります。



「太夫図」の作品も掲載されています。



これらの作品は江戸期の最盛期における作品で古さも十分にあるものです。



本日紹介する作品は少なくてもやはり時代は下がる作品でしょう。



本作品は時代が少し下がっているでしょう。



下記の作品は「文読む女」に分類される作品ですが、女性の描き方には共通するものがあります。



大津絵はその種類は多いのですが、ただ実は大津絵の代表作の10種すらそろえるのはたやすくありません。人気が高く、市場に江戸期の作品が出回ることが少ないからです。



ましてや元禄期の作品は市場に出回ることはなくなったように思います。



なにはともあれ、民芸運動で再評価された大津絵、展示室に飾って愉しんでします。



 

民芸作品は親しみがあっていいものです。大津絵のひと作品くらいはないと民芸ファンとは言えないでしょう それと日本産の漆を使用した古い漆器の揃いを使ってみることも民芸ファンには必須ですね。



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