夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

月下猛虎図 西山翠嶂筆 その6

2016-08-31 00:01:00 | 掛け軸
今年の帰省は秋田市内の窯元の先生や幼馴染の友人やらを訪ねてきました。「人生いつなんどき」と思うくらい、皆さんいろいろあったりしていましたが、それぞれ元気でした。



その日の夕方は家の近くでの大文字焼と花火。



息子は愉しそうに観ていました。



「ヒュルヒュル~、ドン」が息子の口癖。



帰京する前夜は縁側で花火・・・。



小生は何度も行っていますが、息子といつかは大曲の花火大会へ。



帰京は飛行機・・・・、本人は背中に羽が生えている。



本日の作品は実によく描けています。

なぜに共箱でないのか不思議なくらいですが、共箱でないと真贋はちょっと解りにくくなります。むろん、共箱でないと評価も低くなります。評価が低いから小生の入手しやすいのですが、そこは真贋の目利きの領域になります。これを博打というのか、蒐集というのかは見識の相違でしかありません。

月下猛虎図 西山翠嶂筆
紙本水墨淡彩軸装 軸先象牙 合箱
全体サイズ:縦1910*横560 画サイズ:縦1070*横410



西山翠嶂の作域は人物、花鳥、動物、風景の多岐に渉りますが、その得意とするところは人物、動物で、京都伝統の円山、四条派の写生を根底として作風を展開しています。そのはじめ彼は、歴史人物画が多かったのですが、次第に抒情味にあふれる人物画に移り、晩年は動物画や山水に洗練された技法を示しています。



西山翠嶂の描く作品の特徴は、師匠である竹内栖鳳から受け継いだ軽妙洒脱な、とてもモダンで洗練された作風でしられ、そのどこか艶やかさも感じる作風で評価を受けています。



画家として大きな貢献をし続けた西山翠嶂ですが、教育者としても高い評価を得ています。堂本印象や中村大三郎などは自らが主宰した青甲社から輩出した逸材であり、自らの芸術で美術界を盛り上げて行くのではなく、後進の指導力にも長けていた西山翠嶂です。



芸術家として、素晴らしい功績をあげていった素晴らしい画家の一人であり、日本芸術院会員、京都美術大学名誉教授を歴任され、文化勲章を授与されている数少ない画家の一人です。



「ありきたりといえばありきたりの構図での虎を描いた作品ですが、洗練された技法」、「軽妙洒脱」、「とてもモダンで洗練された作風」、「どこか艶やかさも感じる作風」というのが伝わってきます。



どこかユーモラスで可愛らしささえ感じます。写実的に描かれていますが、大橋翠石の作品と比べると面白いですね。



葦を描くなど大橋翠石の影響があるように感じます。



竹内栖鳳を師とする西村五雲、西山翠嶂(文化勲章叙勲)のこの二人を抜きにして画壇を語ることはできないのは事実です。



ただ、竹内栖鳳に比してある程度気安く愉しめる画家とも言えます。






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