
上野で開催されている吉田博の展覧会を観てきました。幕末から明治にかけての美人画をメインとした定型的な浮世絵版画からの脱皮しようとする大正から昭和にかけての版画の勢いを感じますね。

さて当方で痛んでいたり、誂えが不十分な作品を遺すべきと判断して補修や誂えを整えるには、それなりの理由がありますが、一言でいうなら「物好き」なのでしょう。
一作品目は天龍道人の作品で箱を誂えた作品です。
叭々鳥二梅雪竹図 双幅 天龍道人筆 60歳頃
紙本水墨軸装 軸先塗木製 誂箱
全体サイズ:縦1890*横300 画サイズ:縦1340*横180

天龍道人が葡萄以外を題材にした作品は数が少なく、それだけで貴重ですがさらに60歳頃に描いた作品は数が非常に少なく希少です。保存箱がなかったので箱を誂えました。

2作品目は同郷の画家である平福穂庵の作品です。
松ニ鷹図 平福穂庵筆 明治11年(1878年)
紙本水墨軸装 軸先骨 合箱
全体サイズ:横554*縦2090 画サイズ:横414*縦1165
*分類第2期:職業画家をめざして(明治1年~10年)

天地の表装が痛んでいたので天地交換の処置をした作品です。年号の記述のある平福穂庵の作品は資料上も貴重です。

3作品目は岡本大更の作品です。
菊二美人之図 岡本大更筆 大正4年(1915年)
絹本着色軸装 軸先鹿角 東都華亭 大正6年識箱 壽禄堂主人旧蔵
全体サイズ:縦2150*横525 画サイズ:縦1225*横355

この作品も天地の表装が痛んでいたので天地交換の処置をした作品です。

4作品目は保管箱のみを誂えた作品です。
芦雁図 伝橋本雅邦筆
絹本水墨軸装 軸先鹿角 合箱
全体サイズ:横475*縦1910 画サイズ:横355*縦1140

この作品の落款には「壬辰孟冬 勝園筆」とあり、1892年(明治25年)57歳の作と推察されます。1860年より雅邦の号にて独立していますが、ただし雅邦の雅号と同時に「勝園」の落款・印章を用いていた作品も数多くあります。この点だけで贋作とは決め打ちはできません。

問題は下の印章です。印影が違う部分がありますが、特異な違い方のため、早計に贋作とも決め難いところです。ただ大いに違和感のある作品には相違ありません。この点からこの作品を遺すかどうかは大いに迷いました。とりあえず参考作品ということで遺すことにしましたが、これも「もの好き」の兆候・・。
*作品の良し悪しに参考にならないものはない。

はてさて遺すべきかどうか迷っている作品はまだまだ数多くあります・・・・
このようなメンテする愛好者はすでに骨董品か・・・???

さて当方で痛んでいたり、誂えが不十分な作品を遺すべきと判断して補修や誂えを整えるには、それなりの理由がありますが、一言でいうなら「物好き」なのでしょう。
一作品目は天龍道人の作品で箱を誂えた作品です。
叭々鳥二梅雪竹図 双幅 天龍道人筆 60歳頃
紙本水墨軸装 軸先塗木製 誂箱
全体サイズ:縦1890*横300 画サイズ:縦1340*横180

天龍道人が葡萄以外を題材にした作品は数が少なく、それだけで貴重ですがさらに60歳頃に描いた作品は数が非常に少なく希少です。保存箱がなかったので箱を誂えました。

2作品目は同郷の画家である平福穂庵の作品です。
松ニ鷹図 平福穂庵筆 明治11年(1878年)
紙本水墨軸装 軸先骨 合箱
全体サイズ:横554*縦2090 画サイズ:横414*縦1165
*分類第2期:職業画家をめざして(明治1年~10年)

天地の表装が痛んでいたので天地交換の処置をした作品です。年号の記述のある平福穂庵の作品は資料上も貴重です。


3作品目は岡本大更の作品です。
菊二美人之図 岡本大更筆 大正4年(1915年)
絹本着色軸装 軸先鹿角 東都華亭 大正6年識箱 壽禄堂主人旧蔵
全体サイズ:縦2150*横525 画サイズ:縦1225*横355

この作品も天地の表装が痛んでいたので天地交換の処置をした作品です。


4作品目は保管箱のみを誂えた作品です。
芦雁図 伝橋本雅邦筆
絹本水墨軸装 軸先鹿角 合箱
全体サイズ:横475*縦1910 画サイズ:横355*縦1140

この作品の落款には「壬辰孟冬 勝園筆」とあり、1892年(明治25年)57歳の作と推察されます。1860年より雅邦の号にて独立していますが、ただし雅邦の雅号と同時に「勝園」の落款・印章を用いていた作品も数多くあります。この点だけで贋作とは決め打ちはできません。

問題は下の印章です。印影が違う部分がありますが、特異な違い方のため、早計に贋作とも決め難いところです。ただ大いに違和感のある作品には相違ありません。この点からこの作品を遺すかどうかは大いに迷いました。とりあえず参考作品ということで遺すことにしましたが、これも「もの好き」の兆候・・。
*作品の良し悪しに参考にならないものはない。


はてさて遺すべきかどうか迷っている作品はまだまだ数多くあります・・・・

このようなメンテする愛好者はすでに骨董品か・・・???