夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

贋作考 水墨梅図 伝田能村竹田筆 その4

2019-12-06 00:01:00 | 掛け軸
本日は著名な田能村竹田の作品へのチャレンジです。ま~、結論から言うと今回のチャレンジもどうも無謀であったらしいのですが・・。



田能村竹田の作品は贋作が多く、さらに田能村竹田の後継者とみなされた高橋草坪などは若死にしており、彼の作品は田能村竹田を凌ぐと評されています。当然、高橋草坪の作品にも贋作が多く「高橋草坪の真作と幽霊には出会ったことがない。」と言われるくらい真作が少ないとされています。また帆足杏雨も田能村竹田の作風を引き継いだ画家ですが、帆足杏雨の作品は結構多く市場に出回っており、帆足杏雨の作品に田能村竹田の落款と印章を記されると全く真贋の区別がつかなくなるとも言われています。

そんな魑魅魍魎たる真贋の森に迷い込むのは好き好んでいくべきではないのですが、「虎穴に入らねば虎児を得ず」というのが蒐集の世界の鉄則です。またしても当方のチャレンジです。

贋作考 水墨梅図 伝田能村竹田筆 その4
紙本水墨軸装 軸先象牙 誂箱 
全体サイズ:横750*縦2030 画サイズ:横*縦



良く描けていますが、全体にぼやけた感じが否めません。 



ただそれなりに技量の備わった作行です。



賛には「満枝□玉□□□ □客□行看□家 山裏別無高
    尚事 一生唯不□梅花 題自畫梅渓 
閑□□□□子□田□兄文政   竹田生 押印」

為書のある作品かもしれません。

 

印章にはあまり固執しませんが、下記のような資料は常に手元に必要です。骨董おいてはこのよう資料は登山における地図のようなものです。

*印章は良く似せていますが・・・ 違いますね。

 

日本画の真贋を判断するには最低は代表的な印章の資料は必要で、さらに印章によって描いた時期がある程度推測できますね。手元に資料がなければ少しずつ自分で資料を集めて整理するくらいの姿勢が大切ですね。



出来から本作品は真作に肉薄していますが、他の観点から真作とは断定はできません。。



真偽については当方はまだ浅はかな経験と知識ゆえは読書の皆さんにお任せする?(当方は本作品はよくできている贋作と断定)として、本日の「田能村竹田 その4」でまた少し田能村竹田の知見が増えたように思います。



田能村竹田の贋作といえども出来の良いものはこれまた数が少ないですから、このような作品の入手でもないと、また真作に接する機会の多い学芸員でもないと、真偽に迫った調査はなかなかできないものです。



もちろん田能村竹田にどっぷりとはまった愛好家が別として・・・。まだまだチャレンジが続くか、ここで頓挫するか悩むところですが、贋作も出来の良いものは相応に愉しめるという余裕のある鑑識眼が付くようになりたいものです。骨董の世界では「これは贋作だから」と毛嫌いする潔癖性の強い方は意外に蒐集の眼力、蒐集作品が向上しないのかもしれません。負け惜しみかな






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