夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

瓢箪駒図 倉田松涛筆 その9

2013-09-28 05:53:56 | 掛け軸
なんとも倉田松涛らしいユーモアタップリの洒脱な作品です。この洒脱さが倉田松涛の大きな魅力です。本ブログを読まれて少しの方でも多く、倉田松濤のファンが増えると嬉しく思います。


倉田松濤は帝展にも数回入選しており、当時は世評が高く、尾崎紅葉らとも親交があったようです。永平寺、総持寺の賛助を得て、自分で俳画禅寺の建築を企画しましたが、志を果たさず他界しました。急性盲腸炎から腹膜炎を併発したのが死因だそうです。小生の亡くなった家内もそれで危なかったことがあったらしいです。昔は盲腸の時はどういう治療をしたのでしょうか

倉田松涛は一度、テレビの「なんでも鑑定団」に出品されたことがありますが、残念ながら倉田松涛らしい作品ではありませんでした。倉田松涛のファンはわりといると思うのですが・・・。

平福穂庵に師事したこともあり、その影響かどうかは解りませんが、平福穂庵の贋作が横行した同じく贋作が多いようです。ただ平福穂庵とは違い、明らかな贋作がほとんどで、よくできた贋作にはまだお目にかかったことはありません。

倉田松涛らしいユーモアタップリの洒脱さを醸し出す作行きは模倣するにしても難しいのでしょう。倉田松涛独特の洒脱さのない作品は疑ってかかったほうがいいようです。

瓢箪駒図 倉田松涛筆
絖本水墨淡彩軸装 軸先骨合杉箱入 
全体サイズ:横515*縦1970 画サイズ:横335*縦1320



賛に見えるのも馬??? この賛は奇奇怪怪・・





「百三談」の朱方印、朱文白印「耄碌老人」の印、さらに左上にも遊印が押印されています。




「古□堂(馬の絵?)齢重□禮□事今朝の(農)春 □乃□□年大正七年歳冬戌午に □□□□睦月□□有□□鐘 東都□□俳画禅楼上灋燈の下に於て・・・ 百三談有髪僧松涛遊戯三昧 押印」




本当にこの賛は解読が難解です。意味がいまひとつ・・・?? どなたかお分かりの方はおられません?

 

賛より1918年(大正7年)の作であり、倉田松濤が51歳の時の作品です。



通玄仙人(張果老。実在の人物。唐の時代。)が白い馬に跨がり一日数万里を走ったそうです。休憩のときは、馬を小さな瓢箪に納めたという。このことにちなんで「思わぬところでいい結果が出る」ことを「瓢箪から駒」ということのようです。




倉田松濤にしては珍しく絖本に描かれています。家内は来年の年賀状は「瓢箪から駒」にするつもりらしい。万事が「瓢箪から駒」になる願いを込めてでしょう。

「瓢箪から駒」の語源である「張果老」については以前投稿しましたのでここでは説明を省略します。




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