夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

私の探し物 その1 観音像 高村光雲刀

2013-04-14 07:17:20 | 掛け軸
ものに固執するわけではりませんが、骨董には固執する理由というものがあります。今回はたいへんお世話になった方との思い出の作品です。その方は亡くなられましたがその方の所蔵品を探しています。

骨董はただの物であることには相違なく、自分という器の斟酌でものを捕らえることが肝要です。無理をしたり、周囲の人の理解無くして収集してはいけません。自分の資金の余裕のなかで集めることも肝要です。資金と言うものは使う優先順位があります。ただこの原則を破るのが縁というものです。

お世話になった故人の方から補修や保存を頼まれていた作品です。今となってはそのすべての収集作品を観ることはかなわず、亡くなった後に故人のご遺族が売り払われてしまい、本作品を故人の意思を継ぐべく当方で探しています。

故人よりいくつかの作品の保存を頼まれましたが、今回は「その1」として下記の作品を公開します。

故人から依頼され思文閣を通して補修していただきました。補修部分は光背の立ち上がりの棒の部分です。


観音像 高村光雲刀
木彫共箱 
高さ320*幅62*奥行き60*台150(六角)                            



箱書きには「昭和五年三月吉辰 帝室技藝員 従三位高村光雲刻之」とあり、1929年、77歳の作です。



所蔵者亡き後、ご遺族は補修費用を当方に支払うこともなく、保存してほしいとの故人の意向とは違い売り払ってしましまいました。遺産相続争いの調停に要した弁護士費用を緊急に支払うためとのことです。



当方の取得の申し出したのですが、180万という安値で手放されました。




唖然とする処分の仕方ですが、骨董に興味のない方には普通のことなのでしょう。なんともやりきれない思いでした。当時は当方の資金不足もあり買取には消極的でしたが、今は縁があれば買取を望んでいます。


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