夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

南天 福田豊四郎筆 その95

2018-07-03 00:01:00 | 掛け軸
週末には母を訪問。



しばらく行けなかったので、貯めておいた写真を息子が説明。いつものようにお薄を飲んで母は元気そうでした。



少しして姉もやってきて、にぎやかになりました。息子は母に肩たたき・・。



さて本日の作品は「南天」。「南天」は「難を転じる」ということから吉祥の題材となります。この世は難しいことが多い、「難を転じて福となす。」にあやかりたいものです。

南天 福田豊四郎筆 その95
絹本水墨淡彩軸装 軸先象牙 合箱
全体サイズ:縦2240*横490 画サイズ:縦1330*横350

 

落款と印章から昭和初期~昭和10年頃の作品と推察されます。この頃の福田豊四郎の画題として「南天」にはいくつかの作品があります。



南天は音が「難転」即ち「難を転ずる」に通ずることから、縁起の良い木とされ、鬼門または裏鬼門に植えると良いなどという俗信があります。福寿草とセットで、「災い転じて福となす」ともいわれています。また、江戸の百科事典「和漢三才図会」には「南天を庭に植えれば火災を避けられる」とあり、江戸時代はどの家も「火災除け」として玄関前に植えられていました。赤い色にも縁起が良く厄除けの力があると信じられ、江戸後期から慶事に用いるようになり、またトイレの前にも「南天手水」と称し、葉で手を清めるためなどの目的で植えられました。

  

印章や落款は上記のとおりです。左側が本作品で、他の同様の印章を用いた当方の所蔵作品との比較です。共箱ではありませんが、真作と判断できます。



家に植えることのできない時には掛け軸で飾るということで多くの作品が描かれたのでしょう。



当方には福田豊四郎氏から祖父が描いてもらった何点かの袱紗がありますが、その中に「南天」を描いた作品があります。



この作品は祖父から母に、母から小生が譲り受けた袱紗の作品のひとつです。江戸後期から慶事に用いることから袱紗に描いたのでしょうね。

母がいつまでも元気であらんことを願うばかりです。

日本のサッカー代表は本当に惜しかった。監督交代という難が転じて福となしたか否か? ただリーダー如何で組織がこれだけ豹変するということは教訓に値するものだと思います。上から目線での統率ではない、武士道とも言うべき誠意や愛のある統率によっての個々の力の結集は称賛に値するものでした。

最後は勝ち抜けるだけのしたたかさのみ・・実に惜しかった、そして悔しい。悔しさをバネにしてまた難(災い)を転じて福となさねばならないのだろう。思えば人生はすべてその繰り返しのように思う。苦労の果てに喜びあるもの、楽な人生などそうそうにはない。



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