夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

夕陽孤亭図 中林竹渓筆

2012-01-27 06:20:58 | 掛け軸
数人の方から掛け軸を所望されていますが、自分の趣味のものを人に差し上げることほど難しいものはありません。

いいものを差し上げるのが礼儀ですし、こちらとしてはいいものを手に入れたら人には差し上げたくないのが収集する者の常で矛盾するものです。

ずいぶん前に現場事務所に厄除けで飾ってあった「鍾馗図」を欲しいという御仁に5年間粘られて、とうとう差し上げたことがありました。今は成城の豪邸の玄関に飾られているとか・・。それ相応に御礼があったのですが、かかった費用は、購入原価が1,000円で表具直し代金がプラス・・。盛岡の寂れた骨董店でぼろぼろの状態で探しあてた作品でした。損したような、得したような妙な気持ちでした。それ以来「鍾馗図」をみると思わず手が出てしまいます。

さて他人に差し上げる作品は慎重にじっくりと探しましょう。



夕陽孤亭図 中林竹渓
絹本水墨淡彩 軸先象牙 合箱
全体サイズ:縦1065*横640 画サイズ:縦190*横575



中林親子は絹本が特殊です。またちょっと特殊な描き方をしているように思われます。




印章は「成業之印」の朱方印と「字紹子」の白方印が押印されています。



幽玄の地といったところでしょうか?





中林竹渓 :1816-1867 幕末の画家。文化13年生まれ。中林竹洞(ちくとう)の長男。父にまなび,のち山本梅逸(ばいいつ)にあずけられる。写生を主とした洋画風をとりいれた。奇行でも知られた。慶応3年4月22日死去。52歳。名は成業。字(あざな)は紹文。通称は金吾。別号に臥河居士。作品に「中林竹渓先生四季十二景」。


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