夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

浅絳山水図 天龍道人筆 その12

2013-06-03 05:12:50 | 掛け軸
先週は久方ぶりに石巻へ行ってきました。瓦礫処理のシステムは順調に回転し、瓦礫は来年3月で処理終了するとのことです。市街地もだいぶ綺麗になりました。

復興はまだまだこれからという印章を受けました。



午後からは女川に向かいました。港に面した土地は5メートルの土を盛るそうです。その土砂は山を削り、その削ったところに居住地区を作るらしいです。



どれだけの人が戻ってくるのかが心配です。漁業以外にはこれといった産業がない、少子高齢化が進んでいる地区ゆえに・・。

本日は落ち着きを取り戻しつつある三陸の復興を祈念して、山水画を投稿します。

本作品で天龍道人は12作品目の投稿となりました。

浅絳山水図 天龍道人筆
紙本水墨 軸先木製 合箱
全体サイズ:縦1920*横417 画サイズ:縦1252*横335



賛に「遊印 野屋□江□春波正渺□ 天龍道人 押印」とあり、押印は白文方印の「天龍画印」と朱文方印「天龍」の印であり、遊印は「□秋印?」が押印されています。

  

天龍道人は葡萄の絵が著名であり、その次に鷹の絵とされ、山水画は作品の数が少なくそれほど著名ではありませんが、味のある作品が多い。



天龍道人の山水画は諏訪湖を囲繞する自然の美しさを描写した作品が多くあります。



天龍道人の山水画は南画風のほかに北画的な強い勾勒(中国画で、対象の形態を輪郭線でくくること)の線をもって、構成したものもあり、南画草創期を反芻しているかのような趣があります。





南画はその稚拙さを持って味を出すことをよしとする傾向がありますが、その稚拙さはかなりレベルの高い稚拙さのようです。

天龍道人を今一度、再評価してもよい画家の一人のように思います。


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