郷里は毎日が雪・・・。
まずは息子には雪に慣れてもらわないと・・。すぐにくたびれるらっしい。
人の力では何ともならず、夜間には除雪車が来てくれます。夜12時過ぎですが、除雪車来訪と同時に一斉に近所の人達は外に出て除雪を始めます。
実はこの写真は2階の天窓からの撮影。新設した机の上に窓を回転させて息子と除雪見物。欅で作った机は「机だけの目的」ではなかったのです。
この窓からは日中は故郷の山々が見えます。この狙いは「男の隠れ家 その4」と同じです。なにしろ高校生までに実際にアケビ採り、山岳強歩、スキーにと歩いた思い出の深い郷里の景色です。
「男の隠れ家」を作るにはいろんなアイデアが必要です。
積みあがった雪の山は格好のそりの遊び場となります。
屋根からの雪も・・・。
当然雪だるま・・。
雪合戦もできます。
人通りも、車も少ないイルミネーションは田舎ならでは。
正月になったら書初め。
改装中の「男の隠れ家 その4」にもアイデアがいっぱい・・・??
さて本日の作品紹介です。一時期は骨董商(加島美術)のしかけによってもあってか非常に人気が高くなった渡辺省亭の作品ですが、蒐集する側からすると入手しずらくなって正直なところ迷惑していました。時間の経過とともに少し価格も落ち着いてきたようです。そこで本日は新たに入手した渡辺省亭の作品を紹介します。
*下記の写真は表具の状態が悪かったので、
1.染み抜き改装
2。上箱+紙タトウ
という処置を施した後のです。処置に要した費用は¥43,000なり。
月下兎之図 渡辺省亭筆 その28
絹本水墨淡彩軸装 軸先骨 誂箱
全体サイズ:縦1840*横460 画サイズ:縦840*横310
購入時にはシミが多く発生している点とそれほど大きな作品でなりことから廉価で入手できています。保存箱なども一切なく、数万円程度の購入金額だったと思います。
収納箱もない状態での入手ですので、染み抜きなどの健全な状態にするには購入金額にさらに数万円の費用を要しますが、お値段に見合った作品かと思います。
渡辺省亭の兎を描いた作品には後述の作品がありますが、他の題材に比しては作品数が少ない題材かと思います。実にうまい描き方をしている作品で、ある意味で渡辺省亭の真骨頂と言える作品でしょう。
渡辺省亭は写実性を重んじる画家ですが、どこかユーモラスさを描くことも兼ね備えていますね。
下記の作品が渡辺省亭の兎を描いた作品で最も著名な作品です。
参考作品
萩に兎図 渡辺省亭筆
「渡辺省亭 -欧米を魅了した花鳥画-」より
絹本着色軸装 個人蔵
うさぎが5匹重なる構図がユーモラスで可愛らしく、うさぎの形態の掴みは実にうまい。まるで黒田稲皐の鯉の絵の構図を思い起こすものがあります。ただよく観ると、輪郭は博物学的な捉え方に感じられ、描線も塗りも意外とあっさりしている。
目の描画だけ妙に生気が感じられるが、超絶技巧系というよりも、とても上手な観察的な絵に近い感じのするとも思われますね。萩は月と描かれることが多いのですが、この作品では省亭はあえて月ではなく月とゆかりの深いウサギと組み合わせて描いた構図になっていますが、本日紹介する作品は月とウサギ・・・、この作品のたたき台のようなもの。
伝統様式を打破し、徹底した観察をもとに、過度な描き込みを避けた絶妙なテクニックを見せるのが渡辺省亭の真骨頂かな・・。
改装後の作品の状態は下記の写真のとおりです。
表具師は腕の良い方、センスの良い方を選択する必要があります。当方で依頼している先とはなんどもやりとりして、ここのところ満足のいく改装ができるようになりました。
表具師の意見を聞くと同時にこちらの要望もきちんと伝える必要があります。
表具師といえども基本的な事項を知らない方は結構多いようです。
シミは今回のようにきちんと抜ける場合と多少の跡が残る場合ありますね。今回は見違えるようにきれいなった例です。「男の隠れ家」も改装するときれいになりました。
さて暖かくなったらいよいよ内部の着手、働けよ!わが右脳!!