夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

源内焼 その113 三彩唐草文輪花皿 

2018-04-04 00:01:00 | 陶磁器
家族はウイークデイに済ませてらしい花見ですが、先週末の土曜日は「花見だ!」、息子の「行こう!」ということになり、近所の公園に昼食がてらに出かけてきました。桜は山が背景が一番良いと思います。いつもは帰省する5月の連休まで桜を楽しみますが、今年は終わりが早そうで心配です。



東京ではなんとか満開で保てた先週末、天気は良く、家で骨董やパソコンに向かっているのは罪悪ですね。公園では運よく一等席に陣取ができました。



花吹雪の中での昼食です。まずは花より団子。



「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」(古今和歌集 在原業平)・・・・。



そう、最後には花は散る・・。



息子は大はしゃぎで花びらのかけっこ、最後には小生と「鬼は外! 福は内!」。



帰路は見事な花吹雪がお見送り・・・・。



帰宅後には仏壇にも近くにあった油壷で桜のおすそ分け・・。



さて本日はお馴染みの源内焼の作品の紹介です。当方での蒐集作品数は百を超えた源内焼ですが、本日紹介する源内焼の「唐草文の中皿」にはいくつかのパターンがあり、型はおなじでも釉薬の色も違うので、蒐集においてある種、別の愉しみ方のある作品です。

源内焼 その113 三彩唐草文皿 
合箱入
径155*高台径*高さ34



実用品よりも飾っておくことに重点を置いている源内焼ですが、中皿より小さい作品は揃いであることが多く、実用品として愉しんだ作品群ではないかと考えられます。飾る作品としてスタートした源内焼に対して、私見ですが特注で中皿程度の作品を実用品、そして揃いで注文があったのではないかと推察しています。



唐草文様は異国情緒があり、幾何学文様との対比でモダンな印象を与えます。



このようなデザインは伊万里や鍋島、交趾焼にもなく、当時の日本のデザインのセンスの良さがうかがえます。平賀源内が関わったかもしれません。



バックボーンとして浮世絵版画の彫師たちによって精巧に作られた型がないとこのようなデザインは成り立たなかったのでしょう。



菓子皿や盛り付けの皿に作られたのでしょうが、使う側からは非常に愉しく、美しい作品だと思います。



今では揃いで遺っている作品が少ないのは、実用品としては軟陶磁器では壊れやすかったこともあるのでしょう。重ねておくによって表面が擦れてしまっていたり、使う時の割れや欠けのある作品が大半です。



表面が擦れたり、欠けのある作品は興ざめですね。よって単品で蒐集していくと型が同じで釉薬が同一である完品を集めることは難しく、単品で蒐集するとかえって釉薬や型の違う作品が揃うことが多くなります。



他の所蔵作品においては下記の作品が似通っていますが、上記の「その113」のほうが丁寧で精巧な作りとなっています。

源内焼 その64 三彩唐草文皿
合箱
口径160*高台径*高さ33



黄釉も緑釉も実にきれいです。



五島美術館発刊の「源内焼」の作品NO52&55に「その64」と同じ型からの作品が掲載されています。



こちらは黄釉がメインになっています。



さらに本ブログにて紹介されている作品には「その17」と「その41」があります。

源内焼 その17 三彩唐草花文八稜輪花皿
合箱入 口径155*25



源内焼 その41 褐釉唐草文皿 
合箱入 口径155*25*底径



豊富なバリエーションが源内焼の奥深いところです。



三彩もあれば単色のものもあり、マニアックな蒐集対象というには違いがはっきりしており、これらで食卓を飾るのも愉しいでしょう。取り皿でも面白いかと・・。



実用で使うにしても、軟陶磁器の扱いには細心の注意が必要です。桜の花は散っても、骨董の花は散らしてはいけません。


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