作品の保管場所が東京の自宅ではほぼ満杯なので、普段使わない作品はリフォーム中の「男の隠れ家」へ移送の予定のため、作品を整理しています。その作品中にて間違った分類が分かった場合は資料を訂正していますが、本日はそのような作品の訂正のための投稿です。
訂正投稿 古伊万里 赤絵金襴手 雲龍・瓔珞紋茶碗
「大明成化年製」款 合古箱入
口径135*高さ80*高台径60
以前の投稿は「伝清初 赤絵金襴手雲龍文茶碗」となっていますが、どうも近年の日本のものでしょう。「古伊万里」というのもちょっと怪しいのですが、出来はいいものです。
古そうな箱に上記写真の書付を入れてあったので、当方では混乱したのでしょう。そもそもこの書付は本作品のものではありませんね。このような小細工で高く売ろうという魂胆が見え隠れします。
箱も合わせ箱と判断していいでしょう。さも中国風に、古そうに見せていますが・・・。
作品としては永楽風に仕上がっていて、いい出来ですね。
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金襴手:赤絵,色絵などに金彩を加えたもの。色釉と金との配色が織物の金襴の趣に似ているところから,この名が出た。中国宋代に始り,明・清代に極度に発達,碗がもっと多い。この刺激により日本では江戸時代中期から作られ、江戸後期以降 京焼や 九谷焼で模作が試みられた。とくに 永楽保全・和全父子が名手として名高い。また赤絵の上に金彩が施されたものを赤絵金襴手といいます。
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古伊万里風の銘もいい・・。おそらく時代があっても幕末から明治期。
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「大明成化年製」の銘のある焼き物:本来は中国の明中期の成化年間(1465~1487)に景徳鎮の成化という釜で焼かれた製品に書かれているもの。後日に製作された模倣にも書かれる。
日本の古伊万里と呼ばれる時代に焼かれた焼物にも「○○年製」と書かれたものが多数あるが、これは中国で焼かれた焼き物を手本として写しを行っていたため、銘も一つの模様と捉えた結果、日本の古伊万里にも「○○年製」と書かれた焼物が作られていた。 また、「○○年製」と書かれた煎茶碗は本場中国でも多数の偽物が出回っており、偽物はわざと汚して売られていたり、高台に砂をつけて焼かれたり、それらしく見せかけているのが特徴で、分かりやすい物は素人が見ても判断する事ができます。
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「大明成化年製」とあることから古伊万里系統に分類しましたが、正しいかどうかは不明です。
内側には瓔珞紋があります。有名なのは「赤玉紋」の器にあるものですね。
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瓔珞紋:(ようらくもん)かつてのインドの貴族が身に着けていた装身具をモチーフにした吉祥文様の紋様です。仏教では仏像を荘厳(しょうごん)する飾り具をいい、また寺院内の宝華(ほうけ)状の荘厳さを現しています。
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整理するにあたっては調べた内容を同封し、小道具にて誂えをしておきました。
鳩居堂の封筒、和紙、インターネットにて入手した風呂敷や仕覆は常に常備しています。
常備している中から作品に似合うものを選ぶのも蒐集の愉しみのひとつです。気楽な抹茶碗、飯碗、食器など使い道は様々・・・。