夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

鼠志野千鳥文様角皿 加藤唐九郎作

2013-04-21 07:38:04 | 陶磁器
本作品を所蔵していた方と夏の暑い頃、庭のある縁側でじっくりと所蔵品を見せていただきました。よい蒔絵類もたくさんあり、亡くなった家内や母とも見せていただいき懐かしい思い出です。刺すような夏の日差しと耳に降りかかる蝉の声になかで、この鼠志野の作品の味のある美しさが忘れられません。

無論、夏には蒔絵類は汗や日差しは禁物ですので室内で見せていただきました。

鼠志野千鳥文様角皿 加藤唐九郎作
共箱共布 
275*233*53



加藤唐九郎の代表的な鼠志野の皿であり、桃山志野を目指した唐九郎の思いが伝わってくる作品です。




昭和40年頃の購入したものと考えられ、箱内の書付によると当時、黄瀬戸の茶碗と一緒に売買しようとしたと思われます。


茶碗が6万8千円で皿が5万8千円であったと記されていました。


  

茶碗も購入しておけばよかったと故人は悔やんでいましたが、骨董には誰でも「あれをあの時に入手しておけばよかった。」と思う作品が必ずある、そういうもののようです。反省しきり。

また人生も仕事も同じです。「あの仕事は完璧であった。」というプロジェクトなんて私にはひとつもありません。あのときにこうしておけば良かったと思うことばかりです。このような話しを客先で話したら「だからあなたに仕事を頼むのです。」と言われました。「今よりいい仕事をきっとするでしょう。」とも・・、なるほど

常に努力を怠らず、反省を怠らず、常に改善の努力をする。自ずと道は開かれるはず。
人生も仕事も骨董も同じ。



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