夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

寒牡丹図 渡辺省亭筆 その14

2016-11-17 00:01:00 | 掛け軸
小生が書斎で作業していると、息子も一人で遊ぶようになりました。まずは小生の引き出しから物色・・。



紙、ものさし、糊、朱肉、印鑑・・・、小生が普段使うもの。



眼は真剣そのもの・・・。決して叱りつけることはしません、好きなだけどうぞ。ただし片付けしないと一緒に片付けて諭します。



本日は冬の軸の準備・・・・。先日、久方ぶりに源内焼の作品にて「唐獅子に牡丹」にちなんだ作品の投稿をしておりで、本日も「牡丹」につていの作品を投稿させていただきます。

寒牡丹図 渡辺省亭筆 その14
絹本水墨着色軸装 軸先象牙 大木豊平鑑定箱
全体サイズ:縦2200*横660 画サイズ:縦1210*横505



寒牡丹:厳密にいえば冬に咲く牡丹には寒牡丹と冬牡丹があります。

寒牡丹は二季咲き性の品種で、6月頃にできたつぼみを切り、8月に葉を切って、秋に2回目のつぼみを出させます。これに対して冬牡丹は、春咲きの品種を促成栽培して冬に咲かせたものです。また、品種ではなく開花・観賞時期によって分類する場合もあり、寒の時期、つまり二十四節気の、小寒から立春の前日までの約30日間に咲いているものを寒牡丹、それ以外の冬期に咲いているものを冬牡丹とする分け方です。いずれにしても、真っ白な雪景色の中に花の真紅と葉の緑が映える、四季を愛でる日本ならではの花です。



寒牡丹とは
  春に咲こうとする花の蕾をつみ取り去り
  夏の終わり頃に葉もつみ取って花期を遅らせます
  藁の霜囲いをして暖かいところに保護すると冬に開花する
  花の時期にはほとんど葉っぱをつけない

冬牡丹とは
  春咲きの品種を人工で温度調節し冬に咲かせる牡丹
  なので、見頃の花は鉢ごと土に埋められているのが特徴です
  温度調節をして咲かせているため、花と葉っぱが同時に出ます

簡単な見分け方は   
    緑の葉があれば『冬牡丹』 
    葉が無く花だけ咲いているのが『寒牡丹』だそうです。



本作品は出来、印章などから出来のよい渡辺省亭の真作で、大木豊平のよる鑑定箱になってています。渡辺省亭と大木豊平の関係? 残念ながら当方ではその詳細は解りませんでした。

大木豊平:日本画家。千葉県生。蔦谷龍岬に師事する。帝展六回入選。奉賛会出品。日本画会会員・中央美術会員。昭和55年(1980)歿、81才。

  

シミなどもありますが、渡辺省亭の作品で最も人気の有る図柄のひとつです。



雀の描写も巧いものです。作品の状態は染み抜きする一歩前・・、さ~、メンテナンスはどうしようかな?



前にも述べましたように渡辺省亭の作品には不出来の作品も多くあり、取捨選択して作品を蒐集することが肝要のようです。贋作と判断する方もおられるようですが、出来の悪い作品が多いと当方では判断しています。



当方もだいたい作品が揃ってきましたので、そのあたりの見極めをして、作品を整理していこうと思います。



渡辺省亭・・・、それでもこれからも注視すべき画家の一人だと思います。


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