夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

改装完了 長崎派 虎図 & 酔李白図 蓑虫山人筆

2020-10-13 00:01:00 | 掛け軸
自宅のパソコンは修理完了し、ブログの投稿はできるようになったのですが、未だにメール機能が回復せず・・

さて本日は痛んでいた掛け軸の修復を目的にした改装の紹介です。以前に紹介した長崎派?の「虎図」の作品ですが、痛んでいたので改装しました。



改装完了 長崎派 虎図 
紙本水墨淡彩軸装 軸先骨 誂箱 印章在
全体サイズ:縦1741*横331 画サイズ:縦*横

 

改装する前の状態は下記の写真です。

 

この構図の虎の作品はこの頃に流行したのでしょう。虎の顔を誇大に表現し、画面からあふれた体、そして少しだけ見える尾を描いた構図ですが、とくに長崎派の影響を受けた画家には多い構図のようです。



因幡画壇の片山楊谷などが特に有名ですね。



改装は多少色が退色したり、当時の表装が失われますので極力しないほうがいいのですが・・・。



保存箱も誂えました。



ついでに改装はしませんでしたが、蓑虫山人の保存箱も誂えました。蓑虫山人の作品は市場には少なく、席画のような作品でも貴重になっています。

酔李白図 蓑虫山人筆 その20
紙本水墨淡彩軸装 軸先木製 合誂箱 
全体サイズ:横465*縦1500 画サイズ:横417*縦680

 

「明治丙戌春山水図 蓑虫山人筆 その19」と同時にインターネットオークションに出品されていた3点の作品のひとつで、3点の内2点を落札しています。



3作品が同時期の作品と推察されますので、明治19年頃の作品と思われます。



東北北部の郷里の近くに滞在していた頃の作と推定しています。酔李白図は多くの画家によって描かれており、本ブログでも我が郷里の画家である平福穂庵、寺崎廣業が描いた作品が投稿されています。



蓑虫山人の作品でも保存箱がありませんでした。保存箱というのは江戸期にはそれほど一般的なかったので、明治期に入っても保存箱のない作品は数多くあったようです。



保存箱が一般的になったのは戦後くらいからかもしれません。ともかく保存箱のない掛け軸の作品はまだまだ巷に溢れていいます。







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