「男の隠れ家 その4」に移動する作品らの選択にあたって、作品を数多く整理しています。整理しているうちに作品を必然と再度鑑賞したり、新たな資料を添付するようになります。これは意外に膨大な労力を費やす作業となりました。
そんなおり、改めていい作品だなと感じた作品のひとつが下記の作品です。
花図 藤井達吉筆 その17
紙本水墨淡彩染付和紙軸装 軸先陶器 合箱
全体サイズ:縦1265*横595 画サイズ:縦310*横470
染められた布による表具も藤井達吉のデザインのものと思われます。
天地、中回しは染物、一文字はデザインされたもの・・・。
染物も微妙なデザインがなされていますね。
天地と中回しで色を変えています。
当然軸先は自分らの窯で作ったものが使用されています。
本日の作品紹介です。同じような作品が揃いましたが、平福百穂の美人画の作品は珍しい。
夏衣美人図 平福百穂筆その135
絹本水墨額装 軸先象牙 太巻合箱
全体サイズ:縦1475*横670 画サイズ:縦325*横360
じつに凝った表具の作品ですが、かなり高級な表具です。
以前に紹介した美人画と同様に荒めの高級な絹本に描かれています。
描いたのは明治末から大正初期の頃かな。
淡い表現で品よく描いています。
脇に咲く花は「槿」かな?
かたや額装、今回は掛け軸。
共に同じ印章が押印されており、同時期の作と推定されます。
このように並べて鑑賞するのは贅沢・・。最近、夫妻で訪ねてきた友人が、「誰かにこれらの所蔵作品を見せたのかい?」と問うたので、「ガラクタばかりなので誰にも見せたことはない。」と答えました・・・。
平福百穂の中では貴重な作品でしょう、大切に保管しておきます。
掛け軸は太巻仕様になっています。額はタトウに保管しています。
これほどあっさりと描いた掛け軸を太巻仕様にしているのが珍しい。先の所蔵者が大切にしていたことがうかがえます。
さて、掛け軸は日本の文化ですが、どんどん打ち捨てられています。蒐集する側は二束三文で入手できるので嬉しいのですが・・・。